今回の写真は『ノーゲーム・ノーライフ』の白を担当し、「『 』(くうはく)はもはや完全ではない」というコンセプトをテーマに撮影しました。今回は明るく華やかな表現をあえて捨て、ダークで静寂、少し重みのある雰囲気を採用しました。
写真全体の核となる構図は、あの巨大な黒い玉座とチェス盤を中心に展開されています。等身大の巨大な黒いチェス駒に身を置いた時、非常に強い視覚的圧迫感を受けると同時に、この物理的なスケール差が、絶対的な知恵を持ちながらもどこか言葉にできない儚さと孤独感を漂わせるキャラクターの特質を際立たせてくれます。最前線にあるミニチェス盤の前に座った時、実は次の手をどう打つべきか分からず、そのチェス局は単なる小道具ではなく、内面の投影のように感じられました。「『 』はもはや完全ではない」という言葉は、作中の『 』兄妹の絆だけでなく、私たちが今回の撮影で模索した感情の切り口でもありました。
メイクとスタイリングに関して、今回はトレードマークである白髪のストレートロングウィッグを着用しました。頭の上の少し傾いた小さな王冠は位置決めが難しく、落ちないようにベースの接着剤やピンを通常の倍以上使用しました。衣装は紫赤のロングローブで、フロント部分に白いパイピングの切り替えがあり、黒のロングブーツを合わせています。この衣装に合わせるため、全体的なベースメイクは非常にクリーンに仕上げ、リップカラーも控えめにすることで、熱情的すぎたり派手すぎたりするメイクではなく、「白」特有の空霊感に寄り添わせました。
撮影のライティングも今回の作品の魂です。あえて頭上から硬いトップライトを直接落とすことで、頭の周りに微妙な光の輪を作り出し、白髪の質感を極めて透明感高く魅せました。同時に、顔や身体の大部分を暗部に置き、周囲の広面積なダークカラーの小道具や地面と相まって、画面全体に冷たく凛としたブルーグレーのトーンを与えています。このライティングはカメラのダイナミックレンジや後処理でのシャドウコントロールが強く試されますが、完成写真では枯れ枝や文字盤、チェス駒のハイライトと暗部の階調が綺麗に残りました。
優れたコスプレは外見の再現だけでなく、内面(神韻)の再現こそが重要だと感じています。このセットにおいて、針のない巨大な時計や周囲に散らばる枯れた黒い植物は、まるで時が停止した空間のようです。白というキャラクターは知性の頂点に立つ天才少女ですが、内面は空(そら)に深く依存しており、失うことを恐れてもいます。そのため、今回の撮影では賢く利発そうな鋭い目つきをあえて作らず、うつむいて手を重ね、深い思索にふける姿を中心に表現しました。この状態の演じ分けは私にとって非常に新鮮な挑戦でした。
このような微妙な感情をコスプレ撮影に溶け込ませ、カメラ言語を通して表現することは、それ自体がとてもストレス解消になるプロセスでした。全体の色彩は冷たく暗めですが、この抑制された表現だからこそ、広大な世界観の中に存在するキャラクターの儚くも決して平凡ではない存在感を際立たせることができます。当日は位置合わせにかなりの時間をかけ、特に小さなチェス盤の前で高所からの見下ろしアングルを狙う際、身体を丸めて体勢を維持し続けました。最終的にストーリー性を感じる画面に仕上げることができ、ハイスピードでハードな撮影プロセスの苦労が報われました。