今回のチェシャーの撮影は準備にかなりの時間をかけ、衣装の細部から空間作りに至るまでキャラクターの魅力に極力寄り添うよう努めました。この衣装はレイヤーが非常に多く、深藍色のレースと白いフリルが何重にも重なり、身に纏うと確かな重厚感があります。スカートの美しい広がりを保つために内側に何枚ものパニエを重ねていたため歩き回るのは少し大変でしたが、写真に収められたふんわりとしたボリューム感にはとても満足しています。ブルーグレーのツートーンウィッグも入念にカットし直し、ブルーのカラコンと合わせて二次元らしい調和の取れた仕上がりを目指しました。
今回のテーマに合わせ、ロケーションにはアンティーク調の書斎を選びました。テーブルの上に並ぶ小道具にもこだわり、チェス盤や赤いシーリングワックスで封をされた手紙、アンティークゴールドのルーペ、そして黄色いぬいぐるみを用意しました。これらはすべて画面の物語性を高め、指揮官の気を引こうとする猫ちゃんの愛らしい甘えん坊な一面を感じ取ってもらうための演出です。撮影中は、茶目っ気と人懐っこさの絶妙なバランスをいかに表現するかを常に意識していました。ルーペを構える際も堅苦しくなりすぎないよう、微かな微笑みと期待感を瞳に宿すようにしています。
白ストッキングを履いて革張りのソファに腰掛け、ポーズを微調整するのはなかなか技術を要しました。スカートのボリュームが大きいため、座るたびにドレープやリボンの流れを整え、画面が散らかった印象にならないよう細心の注意を払いました。5枚目の足を組んだ全身カットでは、光が顔元に絶妙に差し込み、アンニュイかつ誘いかけるような眼差しが的確に伝わるよう、アングルを何度も試行錯誤しました。コスプレイヤーとして、衣装の再現性はもちろんのこと、仕草や視線のニュアンスこそがキャラクターに魂を吹き込む鍵だと信じています。ただ棒立ちになるのではなく、その場の空気に深く没入し、目の前に寄り添いを求めている指揮官がいる情景を心に描き続けました。
この作品全体を通して華やかでインタラクティブな空気感を届けたかったため、口元の角度や視線の追い方など表情のコントロールにも細かな工夫を散りばめました。メイクから着替え、現場のセッティングに至るまで多くのエネルギーを注ぎましたが、完成した写真を目にした瞬間、すべての苦労が報われたと感じました。忙しい日々の合間に、この写真を見て少しでも心温まる安らぎと楽しい時間を感じていただければ幸いです。