この『崩壊:スターレイル』の長夜月コスプレの撮影を決めてから、事前の準備は主に衣装の生地選びと、複雑なアクセサリーを一つずつ忠実に再現することに集中しました。画面に写っているこの白黒のコントラストが効いた制服は、チェーンや十字架、肩の構造パーツがあしらわれています。キャラクターの立体感を追求するため、仕立て屋さんと何度もシルエットの細部について打ち合わせを重ね、レンズ越しに原作の設定に限りなく近い質感を持たせられるよう努めました。ウィッグのカットも大仕事でした。このピンクのグラデーションカラーは、レイヤー感を出しつつ顔のラインに綺麗に沿わせる必要があり、着用後も前髪の角度を何度も微調整して、鋭い視線を遮らないようにしながら、キャラクター特有の「無造作でありながらも洗練された」絶妙なニュアンスを残しました。
撮影当日はスタジオ内の温度がかなり高く、何層にも重なった衣装とエナメルのロングブーツに身を包んでいたため非常に蒸し暑かったのですが、幸いにも全体の仕上がりは期待を遥かに超えるものになりました。今回、カメラマンさんはソニーα7IVに24-70mmと85mm F1.4 GMの2本のレンズを使用しました。85mm側はクローズアップ撮影時のボケ味が非常に滑らかで、ゴシック風の黒い王座と赤のバックグラウンド光源を柔らかく調和させてくれました。現場には赤いバックライトを配置したのですが、これはシャドウ(暗部)のディテール表現が非常にシビアになるため、ライティングのトーンや位置を細かく調整し、顔の陰影の移り変わりが自然になるよう工夫しました。これにより、長夜月ならではのアンニュイでどこかミステリアスな眼差しを際立たせることができました。
小道具に関しては、内側に赤い模様がプリントされた黒い傘が世界観を高める最大のキーアイテムとなりました。撮影時は特定の絶妙なアングルを計算し、レタッチ(後期処理)で画面内に浮遊する赤く透明に輝くエフェクトを重ね合わせています。キャラクター性をしっかりと掴むため、ポージングやアクションのデザインは極力控えめに抑えました。傘を差して佇む姿も、王座に浅く腰掛けるポーズも、あえて身体の力を抜いてエレガントに見せることで、ゲーム設定にあるあの超然とした、どこか孤高で冷徹な気品を再現しようと努めました。
後期のレタッチの方向性も過度な加工は避け、元の肌が持つリアルな質感を残すことに重点を置きつつ、赤と黒のエレメントによる視覚的なコントラストを強調しました。スタジオに実際に組み上げられた骨組みや鳥籠、階段が、ドラマチックなライティングに照らされることで、この二次元撮影作品が持つ世界観をしっかりと支えてくれています。カメラマンさんとはいつも息がぴったりで、準備から最終的な完成まで約1ヶ月を費やしましたが、仕上がった絵の中に長夜月のあるべき姿を見事に描き出すことができ、私のコスプレ日常における今回の妥協のない創作は本当に価値のあるものだったと感じています。