今回の撮影は白ホリ背景にハイキーなライティングを合わせ、スポーティーな体操服コスプレの世界観に挑みました。キサキのこの装いは一見シンプルで、白Tシャツに青のショートパンツ、そして白ストッキング(オーバーニーソックス)という組み合わせですが、シンプルだからこそ肢体を使った表現力がシビアに試されます。「運動中のキサキの邪魔をしないで」というテーマを大切にするため、撮影前に30分かけて入念にストレッチを行い、手足をしなやかに伸ばせるよう準備を整えました。1枚目のヒップブリッジのポーズは体幹の筋力がシビアに要求される姿勢で、背筋をピンと伸ばして腰を浮かせ、左脚を伸ばしてつま先を床につけ、右脚を曲げて支えつつ、両手は後頭部で自然に重ねます。体力の消耗は相当なもので、数テイク撮り終える頃には背中に汗が滲んでいましたが、カメラのモニターに映る身体の美しい張力と引き締まったラインを目にした時、すべての苦労が報われたと感じました。
2枚目の片足立ちのポーズも時間をかけて入念に微調整を重ねました。左手をサイドへ自然に広げ、右手でバレーボールを支え、重心のすべてを左脚に乗せながら右脚を後方へ曲げて引き上げます。バランスを保つため、足の指先でしっかりと床を掴み続けました。カメラマンさんから常に「顔をレンズに向けて」と指示が飛び、振り向く角度をミリ単位で合わせることで、なびく毛先やウェアの裾に生き生きとした躍動感を宿らせました。手にしたバレーボールはずっしりと確かな重みがあり、手首や指先の力加減も重要で、力を込めすぎると硬く見え、緩めすぎると落としてしまいます。撮影の合間には激しい動きでソックスがどうしてもずり落ちてしまい、何度も引き直すことになったので、皆さん本当に運動中のキサキの邪魔はしないでくださいね。
ヘアメイク面では、深みのあるブルーグレーのウィッグにレイヤーカットを施し、トップをふんわりとボリューミーに仕上げ、高めの位置でまとめたお団子とポニーテールで運動時の軽快さをプラス。ハイキー撮影は顔の陰影を飛ばしてしまいがちなので、メイクは透明感のあるナチュラルさを徹底し、ベースは極薄に仕上げ、アイメイクも濃いシャドウは使わず澄んだ瞳の輝きを強調しました。純白背景の難しさは、頼れる背景小道具が一切なく、見る人の視線が全身に集中することです。だからこそ、どの所作もブレのない正確さが求められ、わずかなぎこちなさも許されません。スポーツ系コスプレは衣装を着るだけでなく、内側から溢れ出るようなハツラツとした精気を表現してこそ完成します。普段は静止したスタジオ撮影が多いため、今回の挑戦は身体のコントロール、とりわけ力強いポーズをキープしながら涼やかな表情を保つ技術において大きな学びとなりました。余計なレタッチに頼らず素材本来の質感を活かしたクリーンな仕上がりで、心から大好きな作品になりました。今後も様々な動きを取り入れた表現に挑戦していきたいです。