今回の海灯祭では、璃月港での残業をしばし忘れ、温泉街へと羽根を伸ばしにやってきました。今回撮影した『原神』甘雨 コスプレは、海灯祭の期間中に彼女が過ごす束の間のプライベートな休息時間をテーマにしています。温泉旅行というコンセプトに寄り添い、黒のシースルー生地をあしらったダークブルーの衣装をセレクトしました。ベルベット生地に透け感のある黒チュールを重ね、胸元の金属バックルや金糸のパイピングなど細部のディテールまで上質に仕立てられています。ウィッグにも柔らかなウェーブを施し、黒と赤の角の髪飾りをセットすることで、全体の再現度を徹底的に高めました。
スタジオの美術にはクラシカルな東洋の要素を贅沢に配置。木製提灯が温もりある橙色の光を放ち、スモークを焚いて温泉街ならではの幻想的な湯けむりの立ち込める空間を演出しました。手元には水墨山水画の団扇を持ち、傍らには竹籠、葡萄、そして酒瓶を添えることで、風情ある温泉街の空気感を完璧に創り上げました。当初は仙人ならではの凛とした静けさを出そうと考えていましたが、畳の上に腰を下ろすと、自然と身体の緊張が解けていきました。白レース付きガーターの白ストッキングに深い青のロンググローブを合わせた着こなしは、気だるげな佇まいの中にさりげない色香を添えてくれます。カメラマンさんもそのニュアンスを巧みに捉え、膝を軽く曲げたり脚をしなやかに伸ばしたりする座りポーズを次々とスナップしてくれ、ほんのり微酔を帯びたようなリラックスした表情を美しく収めてくれました。
とりわけ素晴らしかったのは、現場の光と影の設計です。背景に漂う青白い冷涼な煙と提灯の温かな暖色光が鮮やかな対比を描き、画面に豊かな奥行きをもたらすだけでなく、青いウィッグの滑らかな質感を際立たせてくれました。常に煙に包まれた中での撮影だったため、息を止めつつ表情をコントロールし、小道具の団扇の角度に気を配るなど細やかな集中力が求められました。肺活量が鍛えられるような現場でしたが、カメラのモニターに映し出された幻想的で妖艶な空気感を目にした瞬間、すべての苦労が心地よい喜びに変わりました。戦場を離れた甘雨が見せる優しく穏やかな素顔を表現できた、大満足の撮影記録となりました。