今回の写真セットは和歌山の白浜海岸で行われた海辺のロケで撮影したもので、『Fate/Grand Order』10周年企画「under the same sky」シリーズの一環です。「二天一流・夏の陣」をテーマに据え、重厚な甲冑ではなく、軽快で開放感あふれる赤と黒の夏服スタイルを選びました。白浜海岸の海水は非常に透き通っており、青緑色の海と白い砂浜、遠くに見えるホテルや青々とした山並みが広大なパノラマを描き出し、最高のサマーフィルムの舞台となってくれました。
衣装には鮮烈な赤と黒のバイカラーを採用しました。赤いオフショルダーのクロップドトップスが太陽の光を浴びて眩しく輝き、裾にあしらわれた白黒のチェッカーフラッグ柄がデザイン性を高めています。切りっぱなしの黒ショートパンツに大きなシルバーバックルの白ベルト、そして足元に合わせた厚底エンジニアブーツが、宮本武蔵ならではの自由奔放で粋な夏の佇まいを完璧に引き出してくれます。ピンクのウィッグは特注のメッシュカラー仕立てで、海風が強かったため、お団子ヘアの形が崩れないよう撮影の合間にアシスタントさんが何度も手直ししてくれました。赤・黄・青のカラーが映える1メートル以上の二刀流の大刀は、軽量素材ながらも長時間手に持ったり砂浜に突き刺したりするポーズはなかなかの腕の筋力を要しました。
撮影当日は絶好の晴天に恵まれ、強い日差しが美しく差し込みました。カメラマンの@铁板鱿鱼人 先生は光と影のコントロールが非常に巧みで、海面の照り返しを利用してきらめく美しい水面反射を作り出してくれました。海に入ってふくらはぎまで水に浸かると、ひんやりとした海水と焼けるような砂浜の熱気が心地よいコントラストを生み出していました。しかし、今回の撮影で最も予想外のドラマは、砂浜でのピクニックシーンを撮影していたまさにその瞬間に起こりました。
実は撮影前から、カメラマンさんから「このエリアは野生の海鳥が多いから食べ物には気をつけて」と注意を受けていました。使い捨て容器に入った焼きそばを砂浜に置き、二振りの刀を小道具として脇に斜めに立てた直後、逞しい大きな海鷹(トンビ)が一気に急降下してきたのです!狙いは間違いなく肉入り焼きそばで、あまりの猛スピードに反応する隙すらありませんでした。嘴で突かれるのを恐れて咄嗟に身をかわした結果、焼きそばは器ごとひっくり返り、砂地と刀の鞘の上に飛び散ってしまいました。
散らかった現場を前に、私たちは一瞬呆然とした後、顔を見合わせて大爆笑しました。カメラマンさんの反射神経は素晴らしく、上空を旋回する鷹のアップや、刀の鞘に麺が引っかかった決定的な瞬間を逃さずスナップしてくれました。予期せぬ事故が起きてしまった以上、表情を作るのもやめにして、両手を合わせて焼きそばに手を合わせたり、頭を抱えて苦笑いしたりと、素の笑顔とリアクションがそのまま写真に残りました。
『Fate/Grand Order』の宮本武蔵コスプレを演じる者として、外見の再現にとどまらず、リアルな情景の中でキャラクターと同化し、思いがけない物語が生まれる瞬間こそが最大の喜びです。鷹に食べ物を奪われるというハプニングは小道具を汚してしまいましたが、この「夏の陣」の中で最も親しみやすくリアルな思い出のハイライトとなってくれました。これらのサマーフィルムを見返すたび、当時の海風の香りや波しぶきの感触が鮮明に蘇ります。こうした不完全なアクシデントこそが、白浜海岸での海辺のロケがもたらす最も心を揺さぶる醍醐味だと感じています。