『Harper's BAZAAR』風のケルシーの衣装で臨んだイベント写真をようやく整理し終えました。この衣装で最も気を遣ったのは、黒いヴェールとサテン生地の質感の調和でした。黒いヴェールは布量が多く重みがあり、屋外の直射日光下では熱を吸収しやすいものの、光の透過性が非常に高いという大きな強みがあります。手で掲げたり頭から被ったりして逆光と合わせることで、息をのむような美しいハレーション効果を生み出してくれました。衣装のベースは黒と金で構成されており、ゴールド素材特有の光沢が直射光でギラついて見えないよう、夕暮れが近づくサイド逆光の時間帯を待ってシャッターを切りました。銀白のウィッグに合わせて赤いカラコンを装着し、瞳の凛とした目力を強調しています。ヘッドドレスの獣耳や小さな黒いヴェール付きミニハットは、混雑する会場内で人にぶつかって落ちないようピンを何重にも留めて強固に固定し、撮影中もこまめに角度を直しました。
ポージングに関して、アウターやボトムス、そして床に引きずるほどの長いヴェールがあったため、立ちポーズと膝立ちポーズの切り替えは布を踏んだり巻き込んだりしないよう常に細心の注意を払いました。3枚目の両手でヴェールを掲げた写真は、シアーな布地の透け感を前ボケや背景のアクセントとして利用し、ヴェール越しに射抜くような眼差しをレンズへ向けることで、ミステリアスな空気感を醸し出すことを狙いました。CPG08の会場は来場者で溢れかえっており、人の少ない抜け感のある場所を見つけ出すまでにかなり歩き回りました。この静謐で冷徹な世界観を形にするため、カメラマンの友人が手の添え方、視線の落とし所、足の引き方に至るまで的確に誘導してくれたおかげで呼吸の合ったスムーズな撮影が叶い、納得のいくカットを量産できました。ここ数日の冷え込みの中、重厚な黒ヴェールが思いがけず防風の役割を果たしてくれたため、屋外での移動も寒さに震えることなくこなせました。ウエストのコルセット風デザインがスタイルを美しく引き締め、視覚的なプロポーションをすらりと長く見せてくれます。光と影の陰影、そして世界観が最も美しく結実したカットを厳選し、今回のイベント撮影の記念として残したいと思います。