今回のスタジオ撮影は、ここ最近の中でも特に納得のいく仕上がりとなりました。スタジオポートレートは光と影の設計や身体のコントロールが厳しく問われますが、今回は神話やファンタジーの趣を湛えた、どこか冷涼で近寄りがたい隔絶感を表現することを目指しました。ヘアメイクから撮影に至るまで、幾重ものこだわりを詰め込んでいます。
実のところ、今回の撮影は月光と幻想を巡るある物語からインスピレーションを受けています。作中で李松倫が幾重もの夜に思い描いた、月明かりの中にのみ存在する少女ユノ。その孤独とロマンティシズムに深い共感を覚えました。今回のスタイリングは物語に登場するツインテールの少女そのものではなく、金属の質感と流麗な布地を融合させたファンタジー風の装いへと昇華させましたが、本質として宿している「決して手の届かない美しさ」というテーマは共通しています。
作品の具体的なディテールについて。鮮やかな青髪ウィッグは非常に発色が強いため、立体感を出すべく長めのサイドの毛束と毛先のグラデーションを丁寧に整えました。頭上には金の月桂冠と翼の髪飾りを配し、神聖でありながら触れがたい気品を視覚化。衣装は白の上質布に重厚なゴールドのメタルパーツを組み合わせ、胸元のリングや装飾は非常に作り込まれており、身に着けるとずっしりとした重みがありました。白いアームカバーと籠手を合わせ、ウエストには大胆なカッティングを施し、ボトムスは幾重にも重なる布とストラップで構成しています。
細部においては、脚にクロスして巻きつけた白い帯がかなりタイトで、歩行や体勢を変えるたびに細かな調整を余儀なくされました。膝や足首にあしらったゴールドの飾りカフスも美しい反面、長時間の着用で肌に赤みが残るほどでした。足元の10センチに及ぶヌードカラーの厚底ハイヒールは、浮世離れした神秘的な佇まいを表現するため常にバランスを保つ必要があり、足裏への負担は相当なものでした。3枚目と1枚目の座りポーズはカメラマンさんと構図を詰め、円柱プロップの高低差を活かして脚を美しく交差・伸長させることで、ハイヒールコーデによる脚長効果と洗練された曲線美を際立たせました。2枚目の絨毯の上での正座ポーズは柔らかく親密な空気を醸し出し、手元の青いオーブに触れる仕草で画面に微かな生気を吹き込んでいます。
この撮影は想像以上に体力を要するものでした。ポーズを変えるたびに背面の青いリボンを流れるように敷き直し、腕の位置も高すぎず低すぎずミリ単位で調整しました。スタジオ撮影の醍醐味は、現実から完全に切り離された光と影の空間へ没入できる点にあります。足元が機材で散らかっていようとも、ストロボが一閃した瞬間、そこには切り取られた世界だけが存在します。
この写真を目にしたとき、あの物語で路地の片隅に佇んでいた少女のような、強烈な非現実感を感じていただけるかもしれません。私たちが全力を注いで表現したかったのは、まさに現実と虚構の狭間をたゆたうような、唯一無二の視覚体験そのものです。