今回の『鳴潮』绯雪の撮影では、徹底した寒色系のライティングに挑戦しました。スタジオ全体に広がるアイスブルーの光を基調とし、紅葉、赤い番傘、赤い提灯の暖色アクセントを添えることで、寒暖の鮮烈なコントラストが抜群の画作りを生み出してくれました。
衣装には白地に青の縁取りを配した改良和服を選定。オフショルダーのカッティングに胸元の青い花飾りとウエストの帯紐が組み合わさり、全体としてスマートかつクールな気品を醸し出しています。頭上の青い髪飾りやクリスタルのタッセルも、キャラクター本来の設定に見事に調和してくれました。
和風お姉さんとしての孤高の佇まいに寄り添い、メイクでは赤い瞳の強調と抜けるような透明感のあるベース作りに注力。小道具には定番の日本刀に加え、黒い小鉢や赤い徳利も採用しました。片手で器を掲げる仕草や、刀を携えてレンズを見下ろす視線など、身体のラインが緩んでしまわないよう常に凛とした背筋の張りを意識しました。
特に5枚目の写真はハイアングルからの見下ろし構図を採用。手足をすらりと長く見せるため、白いピンヒールを履いて脚を前方へ伸ばし、ウエストのコルセット構造と相まって抜群の脚長効果を引き出しました。一連のカットの中で最も伸びやかでフレームの余白も美しく、個人的に一番気に入っている1枚です。
刀と番傘の組み合わせも効果的で、赤い傘が強い光を遮って顔周りの陰影を柔らかく整える一方、白い刀身の上質な光沢が青い環境光を反射して硬質な金属感を際立たせてくれました。
スタジオ内でポーズを変えながら長時間の撮影をこなすのは骨が折れ、玉砂利の上でバランスを保ちつつ着物の裾を汚さないよう気を配り続けました。しかしカメラマンさんのアングル選びが的確で、現像でも過度な彩度アップを避け、凛とした冷涼感を丁寧に残すことができました。和風ロケーションにおける寒色アプローチを開拓し、キャラクターの魂を宿すことに専念できた非常に充実した撮影体験となりました。