阿綾の初のオフラインコンサートに何とか間に合い、客席に腰掛けたその瞬间、ステージの照明が灯るのを見て、まるで夢のようで現実味がありませんでした。これは彼女にとって初の楽正綾コンサートであるだけでなく、私たちにとっても、かつて十数年以上にわたり注いできた熱い想いがついに具現化された響きとなって返ってきた、待ちに待った「時間差の充足(遅れてきたご褒美)」の瞬間でもありました。私はあえてこの赤黒チェックの楽正綾コスプレの衣装に身を包んで会場へと向かい、彼女と次元の壁を越えたある種の繋がりを感じたいと思いました。ネット上でのイラストレーター(絵師)としての活動はとうに辞めてしまいましたが、当時彼女のために描いた数々の同人イラストや楽曲MVのイラスト(曲絵)は、今でも私の青春の1ページに色濃く、鮮やかに刻まれています。
会場の大スクリーンに映し端される見慣れた彼女の姿や、ステージの光に照らされて次々と蘇る珠玉の名曲の数々を目にし、胸がいっぱいになりました。スケジュールの都合上、一番大好きな曲である『世末歌者』を聴いた後、どうしても途中で会場を後にせざるを得ず、アンコール曲まで聴き届けることはできませんでした。これこそが今回の旅の最大の心残りですが、だからこそ、次回の楽正綾スタイル オフラインコンサートを心待ちにする最高の理由にもなりました。このステージに別れを告げることは、素晴らしい演出に満ちた公演に別れを告げるだけでなく、十数年前にパソコンの前で一心不乱に絵を描いた当時の自分自身への、最高の答え合わせでもあったのです。
十数年という時の流れはどこかとても緩やかに感じられます。かつての画面の向こう側のクリエイターから、今では客席でペンライトを振る一人の観客へと立場は変わりましたが、音楽とキャラクターに対するあの純粋で真摯な愛情は、このボーカロイドコスプレの歩みの中でも何一つ変わっていません。会場の熱気、緻密に構成されたビジュアル演出、端麗で思い出の詰まったステージセットの数々には、言葉にできないほどの満足感を覚えました。こうして写真に収めた一瞬一瞬を振り返ると、今でも感動がこみ上げてきます。最後のアンコールを聴けたかどうかにかかわらず、この記念すべき初のオフラインの祭典に身を置けたこと自体が、過去の私の夢を十分に叶えてくれました。阿綾のこれからの未来に、さらに多くの、そしてさらに素晴らしいステージが待っていることを、心から期待しています。