今回の撮影は、KFCのバイトを抜け出してバカンスに行くという設定にぴったり合わせました。カメラマンのDR.Yさんと合流して九里山樹民宿へ向かい、青緑色のプールをメイン会場に選びました。1つ目のスタイリングでは線香花火を小道具に選び、光と情緒のコントロールに重点を置きました。あたりはすでに薄暗く、プールサイドの環境光は冷たいブルー系、手元の花火は温かみのある黄色で、この寒暖のコントラストが映画のような深みを生み出してくれます。身につけた黒のドレスや水中の黒ストッキングは水を吸いやすいため、撮影時はスカートの位置を慎重にコントロールし、水面の反射や波紋を活かして写真の奥行きを深めました。
2つ目は透明な浮き輪にチェンジし、真上からの俯瞰アングルで撮影しました。水中で身体をゆったりと伸ばした姿を捉えつつ、水の屈折効果で脚のラインをよりスラリと長く見せることができます。細部の指示として、カメラマンさんがチラ見えを防ぐよう腕の位置を調整してくれたり、水面の明暗の対比を利用して被写体の存在感を引き立ててくれたりしました。顔にある特徴的なマークのメイクもスタイリストさん特製で、キャラクターの魅力を細部まで再現しています。レタッチ工程では、プール底のモザイク模様がクリアに見えるよう処理し、水に濡れた黒ストッキングの光の反射が自然に見えるよう調整しました。今回の撮影では主にズームレンズと開放F値の組み合わせを使用し、顔の鮮明さを保ちながら背景のガラス柵や木々を綺麗にぼかしてすっきりとした画作りに仕上げました。水着テーマの撮影だったため、ポーズが不自然にならないよう心がけ、3枚目のプールサイドに寄りかかって手を伸ばすポーズのように、親近感のあるインタラクティブな表現を意識しました。撮影には半日ほどかかりましたが、幸い当日は過ごしやすい気温で、水に入ってストッキング姿で撮影するのも快適でした。ただ、この衣装とロンググローブは水中で動く際に少し抵抗があり、『原神』のキャラクターであるリネットならではのクラシックな黒ストッキングコーデのビジュアルを保つため、カメラの前に立つたびに水滴を整え直しながら、ようやくこの写真たちを完成させることができました。