本日はイベント会場で撮影した黒のラテックススタイルのコスプレシェアをお届けします。この衣装の素材は非常に特別で、艶やかなハイグロス仕様の光沢ラテックスです。ご存じの通り、アニメイベント特有の極めて複雑な環境光の下でこうした素材を美しく撮影するのは至難の業で、ライティングの処理を誤ると安っぽく見えたり、乱反射でテカリ放題になってしまいます。そのため出発前に衣装専用のメンテナンスオイルを念入りに塗布し、張り付きを防ぎつつ表面の反射をよりきめ細かく上品に仕上げました。この装いのハードコアなサイバーパンク風の雰囲気に合わせ、メイクでは愛らしさを抑え、シャープで切れ味のあるアイラインと立体的なコントラストを際立たせました。
会場に入ると大変な人混みで背景も雑然としていたため、クオリティの高いイベント写真を残すべく、ラッピングカー(痛車)が展示されているエリアを狙ってロケ地を選びました。車体のハイライト反射やヘッドライトの強い光線は天然のレフ板のような役割を果たし、私のラテックス衣装のコーディネートに絶妙な部分補助光を与えてくれました。今回は大ぶりで迫力あるロボットアームの小道具と、SFテイストのハンドガンを持参しました。ロボットアームの小道具に施されたウェザリング加工や金属パーツは光を浴びて重厚な質感を放ってくれましたが、重量も相当なもので、長時間構え続けるのは体力的に大きな試練でした。
撮影中はボンネットに身を乗り出すような半伏せのポーズ、振り返りの流し目、銃を構えたしゃがみ立ちなど、テンションの高いポージングに数多く挑戦しました。特にボンネットに身を預ける姿勢は、背中からウエスト、脚のラインを美しく見せるために常に体幹を極限まで引き締める必要がありました。またハイレグ設計がこうした所作において脚の視覚的なプロポーションを絶妙に長く見せ、黒のラテックスならではのタイトなホールド感と相まって、強烈な冷艶さと近未来感を醸し出しました。プロップガンの確かなグリップ感も士気を高めてくれ、まるで自分が未来の戦場に実在しているかのような没入感を得ることができました。
イベント会場での撮影はスタジオ撮影とは全く異なり、臨機応変な機動力が求められます。周囲の光は向かいのブースからのフラットな光が多いため、カメラマンさんには極力サイド逆光のアングルを探ってもらい、ラテックス衣装のコーディネートの曲面に美しいエッジライトを走らせることで、全身の立体感を引き出しました。人混みを避けるため、アングルをシビアに追い込み、車体を前景にして雑踏を遮る工夫も凝らしました。レタッチでは周囲のノイズを落として全体をクールトーン寄りにグレーディングし、ラテックスの艶やかなハイライトと小道具のメカニカルな質感を強調しました。
サイバーパンク風のSFコスプレを形にするのは決して容易ではなく、衣装のメンテナンスから小道具の組み立て、現場でのライティングの模索、人目を恐れずキメポーズを取る度胸に至るまで、すべての工程が挑戦の連続でした。ですが、完成した写真の光と影のドラマチックな調和を目にした瞬間、流した汗のすべてが報われたと実感します。光影とテクスチャの新たな表現を追求した今回の作品を、皆様に楽しんでいただければ幸いです。