今回の弥海砂 コスプレの写真は、夏の猛暑の中でのロケ撮影から、冬の屋内でのレタッチ作業に至るまで、長い期間を経て完成しました。当時、キャラクターが持つ危険でミステリアスな質感を表現するため、カメラマンの@听风说云先生は、赤と黒のコントラストを極限まで高めた光影プランを切り出しました。撮影場所に選んだのは半密閉状態の屋内の階段室と廊下です。一年で最も暑い時期で、こもった空気と密閉空間が重なり、撮影体験はまさに体力と意志力の双方の限界に挑むダブルの挑戦でした。
今回選んだ衣装は、オフショルダーのトップス、何層にもプリーツが重なった黒のミニスカート、黒のアームカバー、正式にセットのガーター付きストッキングとハイヒールを含む、オールブラックのエナメルコーデのセットアップです。エナメルという素材は夏場においてまさに「夏の殺し屋」と言えるほど全く通気性がなく、着用すると体全体が蒸し暑い小さな温室に包まれているかのようでした。エナメルならではの美しい光沢感をキープするため、シワがつかないように気をつけるだけでなく、汗による表面の微細な汚れをこまめに拭き取る必要もありました。一方で、ストッキングが赤い雰囲気のポートレート灯に照らされることで、シアーな部分と不透明な部分が織りなす独特の光影が生まれ、これこそが写真セット全体で強調したかった、セクシーさとクール(冷艶)さが共存する絶妙な効果となりました。
ポージングやカメラアングルのキャッチにおいて、カメラマンさんはかなりの工夫を凝らしてくれました。2枚目の写真の、暗いドアフレームの前でしゃがみ込み、まっすぐレンズを見つめるあの瞬間も、ノートとペンを手にしたスタイリングの細部も、すべて所作や視線を通じて、キャラクター特有の従容とした危ういオーラを伝えたいという意図が込められています。その中でも、階段のシチュエーションを上から見下ろすように撮影した俯瞰カットは非常にお気に入りです。手すりに手を添えて振り返るあのモーションは、赤い光の投影と相まって、本来なら単調なはずの階段の踊り場を一瞬にしてストーリー性と緊張感に満ちた空間へと変えてくれました。また、本で顔を隠しながら少し顔を仰向けるクローズアップ(特写)は、写真セット全体の中で最も空気感が色濃いワンセットだと考えています。表情が見えないからこそ、かえって神秘的な雰囲気が引き立ちました。
冬が訪れ、窓の外で冷たい寒風が吹き荒れる中、私はパソコンの前でこの写真セットの後期レタッチ処理を始めました。編集のプロセス自体は過度に複雑にはせず、主に赤い色調の彩度(サチュレーション)と暗部のディテールを精緻に微調整することに集中しました。もともと前回のライティングが非常に堅実だったため、派手なデジタルエフェクトに頼る必要はなく、光がエナメルに当たったハイライトや、人物の瞳に映る赤い反射を忠実に再現するだけで十分でした。レタッチをしながら画面に映し出される夏の映像を眺めていると、当時は汗でウィッグの縁が張り付き、暑さでメイクが崩れそうになりながら疲弊していた思い出が蘇る一方で、今は大真面目に冬服にくるまりながらパソコンの前で繊細に光影を彫刻している。この時空が交錯するような感覚は非常に不思議なものでした。
この作品は夏と冬の2つの季節をまたいで、ようやくレタッチを終えて写真セットとして整理されました。カメラマンとコスプレイヤーとして、私たちは現地のレイアウトや赤い光のライティングの角度について共に検討を重ねました。5枚目の俯瞰アングルによるカメラポジションも、現場での臨機応変なアドリブから調整して生み出された素晴らしい角度です。撮影のプロセスは確かに過酷でしたが、冬というじっくり物事と向き合うのに適した季節に、レタッチを通じて夏の輝きを再び蘇らせ、目の前にある質感たっぷりの作品の一枚一枚を見つめていると、すべての苦労が報われたと感じます。そんな充実感に満ちたダークゴシック風の作品となりました。