本日スタジオで撮影したカルテジアのコスプレ撮影本編は、本当に特別で心躍る体験となりました。『鳴潮』のキャラクター設定に寄り添うため、海と貝殻が織りなす幻想的なセットを一から組み上げました。早朝から巨大な貝殻の小道具を運び込み、水面を表現する光沢フィルムを敷き詰め、青いサンゴや魚の群れのプロップを配置していく作業は、まるでスタジオの中で造船をしているかのようでした。照明が灯り、水面に見立てた床がきらきらと輝いた瞬間、それまでの疲労は一気に吹き飛びました。
ヘアメイクのハイライトは、カルテジアの特徴であるエルフ耳と額の十字マークです。エルフ耳の装着には並々ならぬ根気が必要で、皮膚用ワックスと特殊メイク用接着剤で耳の縁に違和感なく接着し、ファンデーションを丁寧に重ねてぼかすことで、アップの寄りカットでも境界線が一切浮かないよう仕上げました。額のマークには特殊顔料を使用したため、ヨレや擦れを防ぐべく撮影の合間も大きな表情を崩さないよう気を配りました。ウィッグは淡いゴールドのロングウェーブを選び、ふんわりとした浮遊感を保つためコームとキープスプレーを常備し、ポーズを変えるたびに毛流れを美しく整え直しました。
衣装のディテールも非常に魅力的です。青と白のコントラストが爽やかなドレスは、上半身に黒の編み上げレースアップが施され、胸元には大ぶりの青いリボン、袖には透明感あふれるシフォンのベルスリーブがあしらわれています。繊細なシフォン生地は写真映えする一方で、水濡れシートの上を擦ると伝線しやすいため、立ち位置を変える際は常に袖口を優しく持ち上げて移動しました。足元に合わせたクリアストラップのヒールサンダルも細心の注意を要し、滑りやすいフィルムの上で貝殻に腰掛けたり水面に跪いたりするたびに足首に大きな負荷がかかりました。足の甲をピンと伸ばして全身の均衡を保ちつつ、表情はどこまでも穏やかに、人魚のような優雅な佇まいを意識し続けました。
カメラマンさんはライティングの露出計算に徹底的にこだわってくれました。床面全体に強い鏡面反射があるため、通常の当て方では顔立ちの陰影が飛んで平坦になりがちです。そこで斜め上からソフトボックスでメインライトを当て、下部からレフ板で起こすことで、被写体の立体的な美しさを際立たせつつ、水面に幻想的な青い光の揺らぎを写し込むことに成功しました。貝殻の中でそっと手を振る姿や、水面に膝をつき青い魚たちと戯れる仕草など、身体をしなやかに伸ばして限られた空間の中に水中をたゆたうような浮遊感を紡ぎ出しました。
夏場にスタジオでこれほど大がかりなロケ風のセットに挑むのは、体力と精神力の真剣勝負でした。何重にも重なる衣装と長時間の特殊メイクに耐え、滑りやすい床の上で凛とした姿勢を保ち続けたため、膝立ちのポーズでは脚の感覚が麻痺することもありました。しかし、カメラのモニターに映し出された息を呑むような透明感と、カルテジア特有の神聖な空気感を目にした瞬間、胸がいっぱいになりました。夏の終わりに特別な記憶を刻み込むことができた、心から誇れる二次元撮影の海洋風コスプレ作品です。