『鳴潮』のモーニエの撮影をしてきましたが、全体の仕上がりにはかなり満足しています。今回は市販の既製品だけに頼らず、自分自身で手作り小道具をいくつも自作しました。まあ、追い詰められてのことですが……。肝心なタイミングで配送トラブルに見舞われ、仕方なくコスプレイヤーの日常における究極奥義「土壇場の泥縄DIY」を発動することになりました。まずは自作した2つのアイテムから。1つ目は頭につけた青いクリスタルリングです。一見シンプルな飾りに見えますが、内部のワイヤーフレームは手作業で巻いたものです。フレームを組む際はバランスに細心の注意を払わないと、頭に乗せた時に傾いてしまいます。当初はメッキパーツを使う予定でしたが時間がなく、半透明のプラスチック板を熱して曲げ、青いマニキュアと透明接着剤を混ぜて調色し、少しラメを散らしました。仕上がってみると意外と様になっていました。
2つ目は胸元の真珠付きリングパーツです。このリングは構造が少し複雑で、アクリルを切り出す時間は到底ありませんでした。結局、厚紙をリング状に切り抜き、上からシルバーの熱収縮フィルムを巻き、フチをゴールドのペンで手描きして仕上げました。中央の真珠もルームメイトに頼み込んで譲ってもらった秘蔵のパーツで、エポキシ系接着剤で台座に固定しました。制作過程は荒削りでしたが、カメラの前に立ってウィッグや二次元メイクと合わせると、全体の統一感は思いのほか綺麗にまとまりました。
ウィッグのセットにもかなり苦戦しました。この淡い紫を帯びた銀灰色のウィッグはもともとストレートだったため、自然なカールを出すためにコテで毛束を少しずつ巻き、ヘアワックスで固めました。頭頂部の三角形のヘアピンも手作り小道具で、シルバーのシートから三角形を切り出し、細い丸カンで繋ぎ合わせ、原作の立ち絵に近づくよう何度も位置を微調整しました。衣装にあしらわれた金属バックルやオーロラ反射のリボンも本来は高級素材を使いたいところでしたが、予算の都合上、通常の反射布で代用しました。衣装本体のダークブルーとホワイトの切り替えと相まって、視覚的なメリハリは十分に出せたと思います。肩口のバーコード柄は不織布に印刷して手縫いしました。
メイクに関しては、今回の二次元メイクはやや濃いめに仕上げました。キャラクターの原案に近づけるため、アイシャドウには深みのあるピンクのグラデーションをしっかり入れ、赤いカラコンと合わせることで、クールで少し憂いを帯びた雰囲気を演出しました。リップにはツヤ感のあるジェリーティントを選び、ライティングを当てたときの映え感を高めています。要するに、今回の撮影はワイヤー、厚紙、グルーガン、ハギレなど、手近な工作資材を必死に組み合わせて作り上げた集大成でした。突貫工事の準備はバタバタでしたが、完成した写真を見れば注いだ労力は間違いなく報われました。撮影中も機材のバッテリー切れやレフ板の忘れといったハプニングがありましたが、光源の位置を変えたりスマホのライトを当てたりして臨機応変に乗り切りました。次回はもっと余裕を持って準備したいところですが、今回の経験で手作り小道具の制作スキルは大いに磨かれました。コスプレイヤーの日常の一幕として、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。