今回の鏡越し自撮りのスタイリングは、新たなキャラクターへの挑戦であり、『金陵十三釵』における玉墨のレトロで艶やかな気品を忠実に再現したものです。しかし今回の本質は単にキャラクターを演じることだけにとどまらず、わずか39元のプチプラ既製品からいかにしてこの一着へと仕立て直したかという、「チャイナドレス大変身」の全工程をシェアすることにあります。
元のドレスはいわゆるミセス向けの婚礼用衣装のようなスタイルで、ぎらついた金色のパイピングがあまりに派手で野暮ったい印象でした。第1ステップとして、思い切ってその金縁の飾りをすべて解体。白のコットン透かしレースに置き換え、襟元と袖口に一針一針丁寧に縫い付け直すことで、古き良きオールド上海のノスタルジックな情緒を一瞬で宿らせました。第2ステップは、過剰に華美だったチャイナボタンを取り外し、レトロな翡翠風ビーズをあしらった青い一字布ボタンへと付け替えたこと。深紅のベルベットチャイナドレスの生地にブルーの差し色が絶妙に映え、花模様の配色とも美しく共鳴してくれました。そして第3ステップが、最も過酷を極めた絵付け(手描き染色)の工程です。購入したのがベルベットチャイナドレスだったため、繊維用染料の乗りが非常に悪く大苦戦しました。ベルベットは吸色性が極めて高く、花びら一枚を描くのにも何度もぼかし重ねる必要があり、一度筆を落とすと修正が効かないため膨大な労力を要しました。忍耐強く混色を重ね、長い時間をかけて大輪の華やかな花柄を少しずつ描き起こしていきました。ベルベット特有の光沢の当たり方によって明暗の色の見え方が異なるため、全体の色ムラを整えるまでに数日を費やしましたが、仕上がりは息を呑むほど鮮やかに決まりました。
この生地には「伸縮性が抜群」という大きなメリットがあり、オーダーメイドでなくとも身体のラインに美しくフィットし、チャイナドレスならではのしなやかな曲線を際立たせてくれました。メイク面では細く長い柳眉に深紅のリップ、ヘアスタイルには王道のレトロなフィンガーウェーブ(手推波紋)を合わせ、ダークレッドのネイルカラーで仕上げることで、オールド上海の雰囲気を色濃く演出。レースのあしらいも相まって、全体として冷艶で蠱惑的なオーラを放つスタイリングに仕上がりました。装飾の解体、ボタンの付け替えから手描きの絵付けに至るまで、すべての工程に繊細な根気が求められましたが、今回の挑戦は単なる原作再現にとどまらず、深いレトロハンドメイドの二次創作としての手応えを感じさせてくれました。2枚目は全身写真と材料の購入履歴のコラージュ、1枚目はディテールの特写です。材料費と衣装代を合わせても60元足らずの出費ながら、自らの手仕事を注ぎ込むことで玉墨 コスプレ特有の唯一無二の色香を見事に表現できたと感じています。