今回の岐江公園での撮影プランはかなり早い段階で決まっていました。晩夏ならではの陽光と、この公園特有のインダストリアルな廃墟感を活かして、日系写真の空気感あふれるJK制服の作品を仕上げることが狙いでした。スタイリングには淡いイエローのトップスにライトブルーのプリーツスカートを合わせたセーラー服を選び、オーバーニー丈の黒ストッキングと白いメリージェーンシューズを合わせました。日差しの中で映える明るい色合いが、周囲の年季の入った錆びた鉄骨や深い木立と鮮やかなコントラストを描き出しています。小道具にはアコースティックギターとグレーのぬいぐるみリュックを用意しました。ギターは画面の要素を豊かにするだけでなくポーズを取る際の手元の自然な支えとなり、ぬいぐるみリュックは座ったり歩いたりする際に持つことで、学生らしい日常感をプラスしてくれました。
撮影は日差しが程よく傾く午後3時頃に行いました。斜光が金属の階段や手すりにくっきりとした影を落とし、写真に深みのある質感を与えてくれます。大口径レンズの開放絞りと望遠域の空間圧縮効果を利用して遠くの木々や建造物を美しくぼかし、被写体を際立たせました。岐江公園の自然と工業感が交錯する環境は日系スタイルにぴったりで、白いプラットフォームに腰掛けて脚を伸ばしたカット(カバーに選んだ1枚)は、黒ストッキングの効果でスタイルをすらりと見せ、脚のラインを美しく演出できました。また、鉄骨階段でリュックを抱えて下からあおる構図では、愛らしい一面を表現できました。
撮影中はポーズを作り込みすぎず、ギターを奏でる仕草や振り返りの視線など、自然な感情の揺らぎを捉えることを重視しました。レタッチも過度な加工は控え、自然でリアルな光と影を保ちながらコントラストをわずかに抑え、陽光の暖色を強調することで、フィルターを一枚重ねたような晩夏のほのかな温もりと透明感ある空気感を残しました。二次元ポートレートのファッションと現実の自然風景を融合させた撮影は、完全な合成写真よりもはるかに生き生きとした息づかいを感じさせてくれます。