今回の撮影計画はずっと前から準備を重ねてきたもので、パートナーと一緒にようやくかぐや姫と彩葉のペア設定を実景として具現化することができました。全体のビジュアルコンセプトはサイバーネオンと伝統的な和のテイストの融合に定め、キャラクター設定を再現するため衣装の細部まで徹底的に作り込みました。
私が担当したのは彩葉です。キャラクターの持つサイバー感を際立たせるため、衣装にあしらわれた発光ストライプはすべて手作業で縫い付けました。夜間撮影での発光効果を確実なものにするため、事前に様々な輝度のLEDテープをテストし、配線を巧みに隠す処理を施しました。ヘアスタイルには紫のショートウィッグを選定し、白い獣耳をセット。額の中央の赤い紋様は専用の絵の具で描き込み、アイメイクも赤系を際立たせてキャラクターの鋭い眼差しに寄せました。ボトムスには黒のロングブーツと網タイツ(ストッキング)を合わせ、ふんわりとした狐の尻尾パーツを装着しました。相方のかぐや姫は艶やかなブロンドストレートロングに、赤と緑を基調とした改良和服を纏い、同じく蛍光ストライプをあしらっています。手元には赤い和傘、足元にはバイカラーの厚底スニーカーという、伝統美とストリート感が交錯する独創的なスタイリングが抜群の存在感を放ちました。
ロケーションには本格的な日本庭園を選びました。木造建築や障子、白砂利の枯山水が画面に重厚で落ち着いたトーンをもたらしてくれます。画面左手のピンクの桜や夜間に灯る温かな提灯が、前ボケや背景として自然に彩りを添えてくれました。撮影においては、現場の提灯が放つ暖色系の灯りをベースにしつつ、衣装の発光ストライプを際立たせるために寒色系の補助ライトを複数配置しました。この暖色イエローと寒色ブルーの鮮烈な明暗対比によって、古典的な情緒と近未来のサイバー感が共存する独特の空間美を生み出しました。広角レンズによるローアングルやハイアングルを活用して空間の奥行きを強調し、高低差をつけた二人の立ち位置に舞い散る花びらを重ねることで、画面に豊かなレイヤーを構築しました。
ツーショットの合わせ撮影は何よりも息の合ったコンビネーションが試されます。作為感のない力強い瞬間を捉えるため、かぐや姫が宙に跳躍するカットや、一方が傘を手にしてしゃがみ、もう一方が身を乗り出して視線を交わす瞬間など、重心の置き方やアングルを何度も微調整しました。提灯の壁を背にした最後の一枚では、超ローアングルによって二人のスラリとした脚のラインを美しく引き締め、提灯にびっしりと並ぶ文字が画面の情報密度を心地よく高めてくれました。照明の配置や小道具の位置を頻繁に動かす必要があり体力的には過酷でしたが、完成した写真の圧倒的な光の質感と二人の佇まいを目にした瞬間、すべての疲れが吹き飛びました。今回の夜間撮影の経験は、今後複雑な光源を扱う上でも大きな自信と糧になりました。