今日は『西洋記』にて『原神』サンドローネの撮影を行いました。アンティーク時計や西洋骨董が所狭しと並ぶこの空間は、ファデュイ執行官第七席にして「最も精巧な造物」である傀儡の設定と完璧な調和を見せてくれます。悠久の時が刻まれたクラシカルな気品を再現するため、ロケーションには深紅の壁面と味わい深い木製家具が配置されたエリアを厳選しました。
衣装のディテールは息をのむほど緻密で、深紺と漆黒が織りなすスカートのドレープ、胸元の赤いリボン、そして背中に配した橙黄色と白の大判リボンに至るまで、撮影前に細部まで形を整えました。自動人形ならではの精緻さを醸し出すため白手袋を着用し、頭上のフリルヘッドドレスも幾重にもピンで固定。ウィッグはぱっつん前髪のペールブロンドのストレートロングを選び、メイクは血色感をあえて抑えて無機質な陶器肌を演出し、目元の彫りを際立たせました。仕上げに白ストッキングと黒のメリージェーンを合わせ、立ち姿や座りポーズにおいてキャラクターの可憐なシルエットを美しく引き立てました。
撮影中、カメラマンのNightDivaさんが身体の動かし方を丁寧にディレクションしてくれました。人形を演じる上での最大の難関は、所作を滑らかにしすぎないことです。ピアノの前に座る際も意識的に背筋をピンと固め、白黒の鍵盤に指を落とす動作も流れるように動かさず、わずかな硬さと機械的な静止を意識しました。『Der Kuß』の楽譜が広がる中、譜面を見つめながら、虚ろでありながら張り詰めた独特の眼差しをカメラの前で保ち続けました。
今回の作品群では多彩なアングルから空間を切り取りました。画像2は木製キャビネットの前で黒いトランクに身を預けた全身カットで、シンメトリーに近い構図がスカートの美しい落ち感と脚のラインを捉え、ヴィンテージ家具の趣と相まって静謐な空気を創出。画像5は2階からの見下ろし(俯瞰)構図で、木目のグランドピアノに向かう私の足元とスカートに手すりの影が鋭く落ち、その明暗のコントラストが彼女の持つ冷徹なイメージを見事に際立たせてくれました。
この作品が納得のいく仕上がりとなったのは、空間で時を刻み続ける無数の古時計のおかげでもあります。それらがまるで画面内の時間を凍りつかせたかのような錯覚を吹き込んでくれました。衣装の質感選びから人形特有の佇まいへのアプローチに至るまで、精緻に作り込まれながらもどこか絶対的な距離感を漂わせるサンドローネの魅力を、写真を通じて余すところなく感じ取っていただければ幸いです。