1日にロケハンへ行ったときは、この桜林はまだ満開ではなく枝先につぼみがたくさん残っていて、今週末の撮影までに花びらが風で散ってしまわないかずっとハラハラしていました。今回のテーマにはセーラー服風の日常着スタイルをチョイス。白いトップスに濃紺のプリーツスカートを合わせ、襟元のブルーストライプとタイの紋様をリンクさせて、全体を爽やかで清潔感あふれる色合いにまとめました。春の情景に寄り添うよう、小道具には青×ゴールドの扇子をセレクト。扇面に描かれた花模様が背景の桜並木と美しく共鳴してくれました。
ウィッグのセットにはかなり手間をかけました。元の毛量がかなり多く重たかったため、自分で前髪やもみあげのレイヤーをカットし、両サイドのツインテールの毛先をすいて軽く仕上げました。梳きバサミで調整したことで頭でっかちにならず、自然な毛流れが生まれています。頭頂部の濃紺のリボンも、綺麗に自立するよう角度を何度も微調整しました。瞳の色はいつもの定番カラーではなく、澄んだブライトブルーのカラーコンタクトを自分で探し出して装着。メイクと合わさることで、自然光の下でも瑞々しい透明感が引き立ちました。アイメイクはまつげとアイラインにポイントを置き、濃くなりすぎないよう抜け感を大切に仕上げています。
撮影当日の光はなかなか手ごわく、木漏れ日による影がまだらになり明暗差が大きい環境でした。人物が柔らかい拡散光を受けられる立ち位置を探し、顔の陰影が綺麗に均一になるアングルをじっくり見極めながらシャッターを切ってもらいました。全身カットでは扇子を使って視線を誘導し、左手を軽く掲げて右手は自然に広げるポーズを意識。プリーツスカートは歩いたり振り返ったりする瞬間に美しい躍動感が出るため、納得のいくシルエットが撮れるまで何度もテイクを重ねました。スカート丈が短めなので、動きやすさを考えて下に白ストッキング(白タイツ)を着用。しゃがんだり大きな動きをしても安心で、脚のラインもすらりと綺麗に見せてくれます。
定番の立ち姿だけでなく、ピンクの紙カップを小道具に使って日常のワンシーンのような抜け感を演出し、スタジオ特有の作為的なポーズにならないよう工夫しました。桜シーズンの屋外ロケは、何よりも忍耐と光のコントロールが試されます。そよ風が吹き抜けて花びらが衣装や髪にはらりと舞い落ちる瞬間こそ、写真が一番生き生きと輝く瞬間です。今週末にお花見や撮影へ行かれる皆さんも素晴らしいお天気に恵まれ、思い描いた通りの素敵な一枚が残せることを願っています。