自分より年上の古いカメラで撮影したこの極道の娘風の神里綾華、色調整すらしない撮って出しのデータで直接鑑賞しました。みなさんも同じように感じたことはありませんか?昔のデジカメやフィルムカメラで撮った画面には、現在のスマホやミラーレスでは真似できない独特の質感があります。ハイライトが少し白飛びしたり、暗部が潰れつつも輪郭がくっきりしていたり。画面上のタイムスタンプすら消すのが惜しく、そのままの味わいを残したくなりました。この飾らないリアルさこそが、この写真集の最大のベースです。
普段二次元キャラクターのコスプレをする際、レタッチで肌を極限まで綺麗にし、小顔補正をし、ライティングを完璧にして、ゲームモデルのように無傷で完璧な状態を目指しがちです。ですが今回は、あえてカメラマンに少し粗めに、ほんのり「レトロ感」を漂わせるように撮影をお願いしました。
設定に「極道の娘」という要素が入っている以上、可愛らしすぎたり繊細すぎたりすると、ワイルドさと高貴さが交錯する雰囲気に合わないと感じたからです。極道の娘とはコンフォートゾーンに収まるおとなしい女の子ではなく、刀光剣影の中でも悠然とお茶を嗜めるような存在です。
そこで今回のスタイリングのディテールについてご紹介します。白髪に黒の編み紐のヘアアクセ、首元のレザーチョーカーが第一印象で非常に強い存在感を放ちます。上半身は白と黒のアシンメトリーなオフショルダーデザインで、袖はボリュームのあるパフスリーブ。白いフリルと黒い広幅の羽織を合わせ、身振り手振りのたびに重なり合った生地が揺れ動き、視覚的な重厚感と動的な美しさを兼ね備えています。
扇子、そしてあの長刀は、今回の「オーラ」を作り出す重要な小道具でした。扇子で顔を半分隠すと、ミステリアスな雰囲気と状況をコントロールする余裕を醸し出すことができます。そして両手で刀の柄を横に握り、木製の机の前に座った姿勢を保ちながら、視線を少し脱力させたりレンズの先へ向けたりすることで、「自分から揉め事は起こさないが、立ち向かう準備はある」という強い気場を一瞬で表現できます。
カメラマンからは、私の顔立ちがこうしたクールで艶やかなスタイリングに合っていると言われました。無理に微笑む必要はなく、冷ややかな表情の方が場数を踏んだ極道の娘らしい淡々とした雰囲気にマッチします。実は私自身、普段は活発な性格で、コスプレ撮影でも元気な少女系が多いので、急に控えめにして「カッコつける」のはかなりのコントロール力が必要でした。
撮影中には面白いハプニングもありました。白地に黒斑点の猫が突然堂々とファインダー内に入り込んできて、まるで撮影現場のボスが巡回に来たかのようでした。当時はみんな苦笑いしていましたが、写真を見返すととても自然で、緊迫した雰囲気にギャップ萌えのような生活感をもたらしてくれました。この小さな偶然が、撮影をよりリラックスして楽しいものにしてくれたのです。
ノーフィルターで無修整の写真をそのまま投稿することに疑問を持つ方もいるかもしれません。しかし私個人としては、コスプレはキャラクターの再現だけでなく、「今この瞬間を記録する」という大切な意味があると思っています。
年月がもたらすフィルターこそが最も美しいフィルターであり、この年老いたカメラが切り取ったのは、今この瞬間の最もリアルな姿です。
服のシワが生み出す影も、顔に差し込む光のハイライトも、切り取られたその瞬間の小さな感情も、一枚一枚がこの写真集の最も心を打つパーツとなっています。
この写真集をご覧になる際は、完璧主義という重荷を下ろし、この少し荒々しくざらついたレトロ感を味わっていただければ幸いです。結局のところ、キャラクターの魂はフィルターによって与えられるものではなく、コスプレイヤー一人ひとりが衣装を身に纏った後の信念によって宿るものなのですから。
以上が、今回の極道の娘・神里綾華の撮影プロセスと感想のすべてです。