今回の『アークナイツ:エンドフィールド』シのコスプレ本編は、準備から本番まで約半月を費やして形にしました。ロケ地には伝統的な中国風の屋内スタジオを選び、書道が描かれた紗幕や竹と石の盆栽、木製の長寝椅子など、東洋の情緒とファンタジー感が調和する空間を演出するために小道具の配置にも徹底的にこだわりました。
衣装面では、非常に多くの繊細なディテールが盛り込まれています。着用時のシルエットをより美しく見せるため、事前の試着でウエストラインやスカートの広がり具合を微調整しました。ウィッグは淡いグリーン系をチョイスし、両サイドのお団子とぱっつん前髪は専用のスタイリングで形をキープ。頭部の角パーツは重さこそ控えめなものの、撮影中のぐらつきを防ぐため、造形師さんに裏面へ滑り止めパッドと固定ベルトを追加してもらい、長時間着用しても負担がかからないよう工夫しました。
撮影当日は午後の光が絶好のコンディションで、カメラマンさんは窓と紗幕を巧みに生かしてサイドからの逆光を作り出してくれました。1枚目のカットは書物を手に寝椅子に腰掛けた一枚です。静かに読書するシの佇まいを表現するため、視線は穏やかに落ち着かせ、手元の動作も硬くならないよう意識しました。カメラマンさんの提案で自然にページをめくる瞬間を捉えてもらい、光が白いドレスに美しく差し込み、金属アクセサリーの質感も引き立ちました。
2枚目は籐の毬を抱えて床に腰掛けた、比較的リラックスしたポーズです。マントやスカートの裾があるため、床に座る際は衣装の元のカッティングがシワで崩れてしまわないよう丁寧に整えました。脚元には黒ストッキングを合わせ、黒のハイヒールと十字架の金属パーツが白いドレスと鮮やかなコントラストを描き出しています。白と黒の明暗差が激しいため、黒潰れや白飛びが起きやすい難しいライティングでしたが、ソフトボックスをメインライトにしつつサイドからレフ板で光を起こすことで、ドレスの陰影とストッキングの透け感のある質感を両立させました。
背景に配した書道の紗幕はこの写真の大きな見どころである一方、撮影の難易度を高める要素でもありました。ふわりと揺れる動きを出すために幕の背後に小型扇風機を設置しましたが、逆光かつ浅い被写界深度での撮影だったため、少し動くだけでもピントが外れやすい状態でした。そのため、ポーズを維持しながらカメラマンさんのシャッターのリズムに呼吸を合わせる必要がありました。前ボケとして配した竹の盆栽は、画面に奥行きをもたらし、色彩をより豊かに引き立ててくれています。
キャラクターの佇まいを掴むのは難易度が高く、具体的な動作の指示がないため、バックボーンの設定を頼りにニュアンスを模索しました。休憩中もいくつか座り方を試し、衣装の持つモダンさとロケーションのクラシカルな空気感のベストな調和を目指してポーズを絞り込みました。レタッチは温かみのある黄色と深みのある青緑のコントラストを基調とし、現場の繊細な光と影をそのまま残し、過度な加工を控えて自然な美しさを大切にしました。
撮影は夕暮れ時まで続きましたが、チーム全員の息がぴったり合い、事前の小道具準備から現場のライティング調整まで非常にスムーズに進みました。ロケーションの作り込みや細部のこだわりに注いだ熱意が、この写真を通じて皆さんに伝われば幸いです。