今回の撮影は、日常の爽やかな透明感とほんのり気だるいアンニュイな空気感を溶け合わせたいという想いからスタートしました。ショートヘアと体操服の組み合わせはずっと大好きなスタイリングで、学生時代の眩しいエネルギーを宿しつつ、唯一無二の繊細な魅力を引き出してくれます。
ロケーションには淡いブルーのタイルが印象的なバスルームを選びました。何より大きな窓があり、窓外に広がる青々とした木々が背景の美しい天然のアクセントになってくれました。窓から豊かに降り注ぐ自然光が空間全体に澄み渡るような透明感をもたらし、複雑な照明機材を組むことなく、素肌の瑞々しい質感をありのままに美しく捉えてくれました。
トップスは白地に青のリブが入った半袖Tシャツ、ボトムスには白のサイドラインが走る濃紺のスポーツ短パン(体操服)をセレクト。レイヤードのメリハリをつけるため、足元には白のオーバーニーソックス(白ストッキング)を合わせました。この組み合わせは全体のプロポーションが際立つため、撮影中はTシャツの裾を軽くまくったりキュッと結んだりしてウエスト位置を高く見せ、シルエット全体をすっきりと引き締めました。白ストッキングと濃紺のボトムスが描く鮮烈なコントラストが、脚のラインをすらりと美しく伸ばして見せてくれます。
写真のポーズにおいては、作為的な形をあえて作らず自然体であることを心がけました。立ち姿のカットでは片手で小さくピースサインを作ってお茶目な愛らしさを添えたり、両手を後ろに組んで無垢な視線をレンズに向けたりしました。バスタブの縁に腰掛けたポーズでは、両脚を縁に預けて両手を自然に下ろした脱力感のある仕草や、レンズに向かってそっと手を差し伸べる親密な距離感を追求。ソックスの生地が水滴でほんのり濡れた質感も、日常を切り取ったかのようなリアルな瑞々しさをプラスしてくれました。
バスルームの壁面がブルーを基調としているため、白い衣装が光を美しくバウンスしてくれました。常に顔を窓の方向へと向け、瞳の中に澄んだキャッチライトが宿るよう意識。露出オーバーによる白飛びを防ぎ、衣服の柔らかな布目と素肌のきめ細やかな階調を丁寧に残しました。イノセントな純欲スタイルの極意は、その絶妙なさじ加減にあります。過剰な表情を作らず、視線を自然に脱力させ、唇をわずかに開いて気だるげなニュアンスを纏わせることで、わざとらしさを排したピュアで愛らしい情景が立ち現れます。
多彩な画角からシャッターを切り、当時の空気感を最も美しく宿したカットを厳選しました。体操服とショートヘアの組み合わせは、夏の清涼感を余すところなく伝えるとともに、カメラの前で気取らないありのままの魅力を放ってくれます。まだまだ公開しきれていないオフショットがたくさんあるほど、最高にシャッターが進む撮影となりました。