早春3月、苏州白鷺園にて。本日は樋口楓の着ぐるみ(Kigurumi)ロケ撮影を行いました。暑すぎず寒すぎない過ごしやすい気候で、草花も美しく芽吹いていました。
今回は定番のJK制服を着用し、厚手のオフホワイトのマフラーと紫グレーのチェック柄ネクタイを合わせ、ボトムスにはダークトーンのプリーツスカートと白ストッキングを選びました。着ぐるみのマスクは内部がとても熱気でこもりやすく、視界も限られるため、顎の細かな動きで面の角度を調整しながら歩く必要があります。特に今日は撮影に合わせてハートを作ったり瞳を指差したりと多彩なポージングを試みたため、角度を何度も確認し合いました。手には厚手の手袋を着用しているため、所作を自然に見せるには普段以上の力加減が求められました。
撮影を一手に引き受けてくれた彼女には心から感謝しています。重い機材を抱えて園内を一緒に歩き回ってくれたのは本当に大変だったはずです。今回は主に2系統の機材を使用しました。富士フイルムのGFX100Sに80mm F1.7を組み合わせることで、中判ならではの豊かな大口径ボケと滑らかな階調表現を引き出しました。遠くの建物や水面にはX-H2Sと300mm F5.6を用い、望遠特有の圧縮効果で苏州白鷺園の葦原や十字架を引き寄せて背景を美しく整理しました。湖畔をぐるりと半周歩きながら、レンガ壁や木道、水辺の葦の茂みなどをロケーションに選びました。白鷺園の建物はとても特徴的で、遠くに見える教会の尖塔が水面に映り込む情景は、望遠で空間を圧縮して切り取るのにぴったりでした。
着ぐるみの醍醐味は、まさに次元の壁を越える瞬間にあります。銀髪のウィッグを整え、大きな白いリボンを着け、ファインダー越しにまるで精巧なドールのような自分の姿を見たとき、すべての苦労が報われたと感じます。着付けの手間や通気性の課題はあるものの、納得のいく写真を残すために全力を尽くしました。撮影の合間には木陰で一息つき、しっかりと水分補給を行いました。
撮影の合間、水面をそよ風が撫で、木漏れ日がマスクや髪に柔らかく降り注ぎました。逆光のポジションに立つと輪郭がふんわりと優しく浮かび上がり、光が最も柔らかくなる午後を待って、納得のいく逆光の横顔カットを収めることができました。水辺の風はやや強めでしたが、マフラーやウィッグがふわりとなびく躍動感ある決定的瞬間を捉えるため、何度もテイクを重ねました。
ロケ撮影の事前準備はとても細やかです。出発前にマスクのメイクに傷がないか、ウィッグに絡まりがないか、手袋が揃っているかを念入りに点検し、現場に到着してからも光の回り方に合わせて立ち位置を微調整しました。白鷺園は緑が豊かで、人混みを避けて人通りの少ないスポットを選んで撮影を進めました。瑞々しい新緑の早春の景色が、このスクールテイストの装いと見事にマッチしています。
湖畔に佇み、きらめく水面を眺めていると、日頃の慌ただしさもすっかり忘れて穏やかな気持ちになれました。撮影中も彼女と構図や光の角度、ポーズの止め方に至るまでたくさんの意見を交わし、的確なアドバイスをたくさんもらいました。ロケ撮影は単に作品を生み出すだけでなく、二人で春のひとときを心から楽しむ時間でもあります。春の心地よさと創作の達成感に満ちた、本当に楽しいお散歩撮影となりました。これから元データを整理して、現像とレタッチの作業に入りたいと思います。