川沿いの風が本当に強烈で、ツインテールもスカートの裾も四方八方に吹き乱れてしまいました。正直なところ、この衣装のコンセプトには今でも頭を悩ませています。メイド服と呼ぶには襟元がセーラー服そのものですし、セーラー風ステージ衣装と言うには裾のフレアやレースが少しデイリー寄りすぎる気もして……最後は考えるのをやめ、勢いのまま着替えて川辺でシャッターを切り始めました。
今回の夜間ロケにはソニーの50-150mm GMを投入。川沿いの複雑な環境光の下、大口径が生み出すとろけるような玉ボケの描写力は中毒性抜群でした。遠くにそびえる高層ビル群や橋梁のイルミネーションが、ファインダー越しに幻想的な光の円環へと変わり、背景の雑多なノイズを一瞬で綺麗に消し去ってくれます。夜間の屋外撮影は入念なライティング調整が必須ですが、夜景が持つクールな寒色系のトーンと相まって、この青×白のバイカラーワンピースが画面の中で極めてクリアかつ透明感たっぷりに浮き上がりました。
巨大なペロペロキャンディの小道具を持っての撮影は、ポーズをキープし続けるために腕の筋力がかなり試されました。途中でスナック菓子の袋を抱えているカットは、実は寒風に晒されて手元を温めたかった本音がポロリと出たものです(笑)。白ストッキングに黒の厚底メリージェーンを履いて川沿いのウッドデッキを行き来するのはバランス感覚が不可欠で、特に片足立ちのポーズでは突風を受けるたびに身体が揺らぎそうになりましたが、最高の1枚を残すために歯を食いしばって耐え抜きました。
階段に腰掛けたカットは今回一番のお気に入りです。終盤で歩き疲れていたこともあり、木製ステップのひんやりとした冷気を感じつつ足をクロスさせて座り込むと、街灯とLED補助光のダブルライティングによって白ストッキングの滑らかな陰影が息をのむほど美しく際立ちました。気負わない即興の所作だったにもかかわらず、全体の構図と衣装の質感が奇跡的な調和を見せてくれています。夜景ポートレートで最も警戒すべきノイズの破綻も、レンズの圧倒的な光学性能のおかげで完全にクリアされ、撮って出しの段階で鮮やかな発色と芯のある解像感が保たれていたため、レタッチの手間も大幅に省けました。
煌めく都市の夜景と肌を刺す川風が、この作品群に他にはない独特の情感を宿してくれました。メイド服とセーラー風ステージ衣装の間を揺れ動きながらも、気取らず自由に撮り進めたからこそ、作為のない生き生きとした二次元撮影の魅力を切り取ることができたと感じています。気軽に楽しんでいただけたら嬉しいです。