今回撮影した蛍のコスプレを撮影するにあたり、最も表现したかったのは、キャラクターがテイワット大陸を旅する途中でふと足を止め、休息をとる瞬間の優しいひとときです。原神ならではのファンタジーな基調に合わせつつも、あえてレトロな魔法学校风のテイストを取り入れた私服(常服)コーディネートを選ぶことで、剣と鎧を脱ぎ捨てて本の世界に没頭する旅人の姿を表現しました。
画面の中で紙がふわりと宙に浮き上がるような魔法感を再現するため、現場ではたくさんの透明なテグス(魚線)を使用し、高速連写を組み合わせながら、書物のページを絶妙な位置に宙吊りにして固定しました。キャンドルの炎は実写とレタッチ(後期微調整)を組み合わせることで、暖色系の温かい空気感を残しつつ、全体の柔らかなライティングに対して強すぎる白飛び(高光)の邪魔にならないよう配慮しています。レンズの焦点距離の選定においては、前景に浮かぶページと後方に積み上げられた古い書物をあえて残し、被写界深度(景深)を活かして画面に美しい立体感を持たせました。金髪や瞳の色のオーダーメイド処理もキャラクターの公式設定に極限まで近づけており、光と影が流転する中で、原神のキャラクターとしての特質がこの物語性の溢れる空間へと自然に溶け込むよう全力を尽くしました。
こうした空気感を重視したコスプレをする時はいつも、事前のシチュエーション構築(置景)にかなりの時間と労力がかかります。ずっしりと重い本を綺麗に積み重ねるだけでなく、主光源の方向を決定づけるためにキャンドルの数や配置を何度も調整しなければなりません。撮影時、カメラマンさんは大光圈を使って顔のディテールを際立たせつつ、右側のキャンドルを美しいボケ(光斑)へと見事に昇華させてくれました。頭に乗せたベレー帽とチェック柄のプリーツスカートの組み合わせは、戦闘キャラクターとしての鋭さを和らげ、未知の国を前にして知識を探索し求める旅人ならではの、どこか生活感のある(日常的な)情緒をプラスしてくれています。
シャッターが切られたその瞬間、周囲でゆらめく灯火和本当に舞い散る紙を見つめながら、メンバー全員がこの数日間の奔走と準備がすべて報われたと感じました。今回は単に原神のキャラクターの外見を模倣するだけでなく、具体的なシチュエーション小道具やこだわり抜いた光影の調整を通じて、静かで温かく、それでいてどこかミステリアスな空気感を表現したいと考えました。このロールプレイを通じて、旅人ならではの唯一無二の魅力を皆様に届けることができれば幸いです。