今回の撮影は早い段階から相方と計画を温めてきました。『ご注文はうさぎですか?』が持つ心温まる癒やしの日常感を表現するため、木製のテーブルや椅子、吊るされたオレンジの飾りが印象的な温もりある室内ロケ地を選びました。衣装には色違いのお揃いコーデを用意。淡い紫のパイピングが施された白のランタンスリーブブラウスに、黒い幾何学リボンの模様が入ったブルーとコーラルレッドのジャンパースカートを重ね、ボトムスには王道の黒スカートをコーディネート。ウィッグもキャラクターの個性を忠実に再現し、アホ毛がぴょこんと跳ねるブルーのボブカットと、白いレースのシュシュで結んだ赤髪のツインテールを丁寧にセットしました。
撮影当日は、彼女たちならではの元気いっぱいな空気感を引き出すことに注力しました。最初のポーズでは向かい合って両手を重ね、そこから並んでカメラに向かって手を差し伸べる動きを実践。カメラマンさんから「手の動きだけでなく視線の交わし合いも大切に」とアドバイスを受けました。二人合わせの自然な掛け合いを見せるため様々な立ち位置を模索した結果、寄り添い合ったり前後に少し高低差をつけたりする構図が最も美しく決まることを発見。途中でぬいぐるみを持ってポーズを取り合う場面ではスタジオ全体が和やかな空気に包まれ、普段のじゃれ合いのような感覚で撮影したことで、生き生きとした表情の瞬間を捉えることができました。
空間の演出においても、多彩な小道具の組み合わせを試みました。テーブルを囲んで一人がティーカップを持ち、もう一人がノートを広げ、さらに背中を向ける所作を交えた三角形の構図は、画面に物語の奥行きを豊かに持たせてくれます。二人合わせの難しさは画面全体のバランス作りにあり、衣装の色彩の対比だけでなく、所作の呼応も欠かせません。例えば片方が猫の手ポーズを取る際、もう一方が身体をわずかに斜めに構えることで、視線が散らばるのを防ぎました。照明には柔らかな面光源を多用し、ウィッグのテカリを抑えて全体を温かみのあるトーンで包み込みました。
終始跳ね回るようなハイテンションを維持しつつ、リボンタイやジャンパースカートの黒いラインのズレをこまめに直しながらの撮影は体力を要しました。それでも完成した写真の中で二人が並び、まるで二次元の世界からそのまま飛び出してきたかのような生き生きとした姿を目にした瞬間、すべての苦労が心地よい喜びに変わりました。作為的なキメポーズに頼るのではなく、その空間でキャラクターたちが交わすであろう自然な仕草を感じ取り、軽やかで明るい世界観を形にできた充実の撮影となりました。