今回のロケーションには、荒廃した世界で生き抜く戦闘員ならではの冷徹な佇まいを表現するため、岩場の地形を選びました。当日は天候に恵まれすぎたこともあり、強い日差しが岩肌に強く反射してカメラマンのアングル探しは難航。特に逆光で髪がなびく瞬間を捉えるため何度も立ち位置を調整し、風でウィッグが乱れることもしばしばでした。
衣装は体に密着する黒のレザースーツ。炎天下では熱がこもりやすく、動きやすさや通気性にも気を配りながらポージングを維持しました。ロングブーツを合わせることで長い脚のシルエットと全体のオーラが引き立ちますが、歩くたびに砂が入るのには苦労しました。何より大変だったのは巨大な大剣の小道具です。見た目の迫力は抜群ですが非常に重く、両手で構えたり引きずって歩いたりするだけで体力を削られ、油断すると重心が崩れそうになりました。大きくターンする際には剣先が地面や岩に擦れないよう、細心の注意を払いました。
様々な角度を試した結果、最終的にバリエーション豊かな数枚を厳選しました。思い切ったローアングルのショットでは、強い逆光を活かしてボディラインや脚の長さを強調し、迫力のある構図に仕上げています。座りポーズでは大剣の重厚感と体のしなやかなテンションを中央寄りの構図でバランスよくまとめました。立ち姿の全身カットでは、足の接地位置や剣を引きずる角度を微調整し、自然な伸びやかさを出しています。衣装のスリットや黒のディテールも、自然光の逆光によって立体感が際立ちました。
表情づくりにおいては無理に笑わず、少し冷ややかで人を寄せ付けない眼差しを保つことで原作の設定に近づけました。風に髪をなびかせながら正面を真っ直ぐ見据えることで、彼女の強靭な意志を表現できたと思います。レタッチは過度な加工を避け、コントラストとシャドウを整えて荒野撮影特有の岩肌の質感を残しつつ、冷徹なトーンを際立たせました。大型の小道具を伴う撮影は体力的にもハードですが、仕上がった作品を見るとその苦労も報われたと感じます。