今回の撮影では、キャラクター本来のイメージにぴったりなバイクを小道具として選びました。正直なところ、この赤いボディスーツは体型のごまかしが全く利かず、シワなく綺麗に着こなすだけでも一苦労でした。生地は光沢感のあるエナメル系でスタイルが際立つ反面、少しの擦れや跡がつきやすいため、海辺や山道を歩く際は細心の注意が必要でした。髪にはロングヘアのエクステを使用しましたが、海辺は風が強くすぐに乱れてしまうため、スタイリングを維持すべくアシスタントさんがほぼ付きっ切りで毛流れを整えてくれました。完成写真の髪がとても自然になびいているのはそのおかげです。
ロケーション選びについて。1枚目の写真は海沿いの峠道で撮影したもので、山の向こうから差し込む夕日が絶妙な逆光となり、水面がきらきらと波打っていました。この自然光とカメラレンズのフレア効果の相性が抜群で、余計な照明を使わずに素晴らしい空気感を捉えることができました。3枚目は合成カットで、海辺の景観と秋の山道、そして右側の車の流れを組み合わせ、視覚的にとても開放感のある仕上がりにしました。2枚目はあえて紅葉が美しい秋の山道を選び、手前に舞い散る落ち葉の前ボケを配することで、赤いボディスーツとの見事な色の呼応を作り出しました。
バイクの選定にもかなりこだわり、絵師さんに頼んでオリジナルのバイクラッピング(デカール)を制作してもらいました。ステッカーのイラストもキャラクター全体のトーンに完璧にマッチしています。車体自体がかなり重く、跨る際はバランスを保ち、脚をしっかり伸ばしてボディスーツの美しいラインを張らせる必要がありました。衣装が極めてタイトなため関節の可動域が制限され、跨ったり振り返ったりする動作は普段以上に体力を消耗し、ある程度の柔軟性も求められました。また、こうした光沢素材は撮影時のテカリ(反射)が大きな課題で、光の当て方を誤るとまるで赤いビニールシートのように見えてしまいます。光と影の呼吸に大きく左右されるため、太陽の角度が少しでも狂うと、光が整うまでじっと待ってから撮影を再開しました。
カメラマンさんと入念に打ち合わせを重ね、キャラクターの不敵で奔放な魅力を際立たせるため、ロングヘアが自然に風になびく躍動感のあるポーズを試みました。秋のロケだったため気温もそれほど高くなく、ボディスーツ一枚で風の中に立ち続けると次第に冷え込んできました。最高の夕日の光を捉えるため、午後の早い時間からセッティングを始め、日没ギリギリまでシャッターを切り続けました。試行錯誤の連続でしたが、リアリティあるロケーションの恩恵と、その後のフレアやレイヤー細部の丁寧なレタッチにより、満足のいく仕上がりになりました。総じて、非常に刺激的で挑戦しがいのある屋外撮影体験となりました。