今回の撮影は涼やかなサマースタイルをテーマに、Fate/Grand Orderにおけるアルトリアの夏の水着姿を選びました。陽光を浴びてキラキラと輝く水辺の質感を表現するため、小道具には光の屈折が画面を華やかに彩る透明ラメ入りの浮き輪を厳選しました。準備には手間がかかりましたが、現場での見栄えは抜群でした。
メイク工程も普段より格段に凝ったものとなりました。金髪ウィッグはキャラクターの端正さを際立たせるために前髪を綺麗なパッツンにカットしました。透き通るようなグリーンの瞳を再現するため、異なる直径のカラコンを試した上で模様が綺麗に際立つものを選定。アイメイクのぼかし加減が極めて重要で、濃すぎて汚く見えないよう深みを残しつつ、目尻に淡いピンクのアイシャドウを重ねて鮮やかな赤リップと合わせることで、表情の彩度を高めました。ホルターネックの水着は布面積が少ないため、撮影中のズレや露出事故を防ぐべく、専用の滑り止めテープなどを内側に仕込んでしっかりと固定しました。
実際の撮影は室内に淡いグレーのバック紙を敷き、照明の反射をコントロールして水辺の光感を再現しました。透明な浮き輪の表面は反射光が乱れやすく扱いが難しかったため、ストロボの光が中のラメに綺麗に当たるよう角度を微調整し、色とりどりの輝きを放つ空気感を作り出しました。手元のフルーツティーも非常に効果的で、レモンの温かみのある黄色と瑞々しい緑の葉が、全体的に寒色寄りの青白トーンを心地よく中和してくれました。霧吹きで水滴をつけて水から上がった直後のような艶感を演出する工夫も凝らしました。ポーズはカメラへ手を差し伸べたり胸元に手を添えたりと、ゆったりとしたリラックス感を大切にしました。
レタッチは質感と光影の表現を中心に進めました。肌は陶器のような透明感のある白さに整え、全体の洗練された美しさを引き立てました。背景や浮き輪の乱れたハイライトを和らげ、幻想的な光のボケを残しつつ、リップの彩度をわずかに上げて生き生きとした表情を際立たせました。
アルトリアというキャラクターにおいて、私は普段の厳格さの裏にあるリラックスした一面がとても好きです。水着姿には強いギャップの魅力が宿っています。今回は透明感と清潔感を主軸にしたため、大きなアクションは控え、視線や微細なニュアンスで気怠げながらも王者の気品を漂わせる表現を追求しました。小道具を支え続けたり光の反射に気を配ったりと体力を使う撮影でしたが、撮って出しのデータを見た瞬間に報われたと感じました。今回のコスプレ撮影では繊細なライティング調整に挑戦でき、ACG屋外ロケーションのような開放感を形にした納得の作品となりました。