今回のアルトリアのコスプレ撮影で何より実感したのは、騎士の甲冑のずっしりとした重みでした。一つひとつの装甲パーツを身体にフィットさせる必要があり、剣も確かな重量感がありました。着脱には2人のアシスタントの手が必要で、身体を捻ると引っかかることも多く、マントが風になびく質感を表現するため、カメラマンの飄零さんと送風機の位置を何度も調整しながら午後いっぱい撮影を続けました。ポージングでは騎士王ならではの凛とした佇まいを再現しつつ、剣を振るう際の力感を意識しましたが、体幹を意識しないと剣を持ち続けるだけで手が震えてしまうほどでした。構図の中で最も気に入っているのは剣先を見つめるカットで、静けさと鋭さが交錯する雰囲気が見事に決まりました。
「卿はなぜ私が今笑っているのか問うのか」という言葉から大きなインスピレーションを受けました。撮影の合間にも、民を守るために微笑む王の姿を心に描き、その忍耐と責任感を瞳に宿すよう努めました。騎士王にとって、その鎧は栄光であると同時に枷でもあります。そのため揺るぎない意志だけでなく、慈悲や孤独感も表現する必要がありました。今回のスタイリングも素晴らしく、ウィッグのカール感を入念にカットして金髪のアホ毛の質感まで忠実に再現。カメラマンさんはサイド逆光を活かして金属装甲の冷たく硬質な質感を際立たせつつ、肌の透明感を残してくれました。青と白を基調とした全体のトーンは非常に上品で、シリアスなキャラクターならではの圧倒的な威厳を引き出しています。暑さと体力勝負の現場でしたが、細部まで徹底的にこだわり、神情から甲冑に至るまで理想的な写真に仕上がった、素晴らしいチームワークでの撮影体験となりました。