今回の『崩壊3rd』におけるエリシア コスプレの「流光の詩」の撮影では、生地の質感と細部の表現に全力を注ぎました。ピンクのウィッグにはグラデーションを施し、根本をふんわりと立ち上げないと額飾りを着けたときに頭皮に張り付いて見えてしまうため、フィッティングの段階で頭部の立体感作りにかなりの時間をかけました。
衣装のスカートは幾重にも重ねたオーガンジー仕立てで、外側は紫とピンクが交差し、内側には白い裏地があしらわれています。非常に柔らかなチュール素材のため、油断すると折れジワがついてしまい、ポーズを決めるたびに裾の重なり具合を丁寧に整え直す必要がありました。ウエストの金色の三角ノットは難所のひとつで、傾きを防ぐために細いピンでウエストの真ん中にしっかりと固定しました。胸元の紫の薔薇は手縫いによるもので、光沢のある生地とマットなドレス本体が見事なコントラストを描いています。
ロケーションには白薔薇とローマ柱を配したレトロな欧風の室内セットを選び、温かみのあるキャンドルの灯りと合わせることで、半透明のチュールドレスの透明感をより際立たせました。
3枚目の座りポーズ(表紙カット)は計算し尽くした構図です。白ストッキング特有の繊細な光沢感が脚の紫のストラップと調和し、脚を組む角度を調整することで、脚のラインをより流麗に見せつつスカートの重なりを巧みに魅せています。白ストッキング自体も着圧タイプを選んだため、座った状態でも膝周りにシワが溜まりにくい仕様になっています。
金色のフォークを持ったカットは俯瞰アングルを採用し、ベールや胸元の花の細部をしっかり見せつつ、テーブルのケーキの小道具を交えて自然な掛け合いを演出しました。手袋をはめた状態で小さな小道具を扱うと滑りやすく、フォークを構える角度は何度も試行錯誤しました。メイク面では衣装と色味を合わせた紫のグラデーションカラコンを選び、目元にラメをあしらって潤い感をプラスし、透明感のある仕上がりを意識しました。
レタッチではチュール素材が持つ柔らかな幻想感を残しつつ、背景をトーンダウンさせて暖色系を引き立たせるなど、すべてキャラクターの気品に寄り添うアプローチを徹底しました。撮影全体を通じてスカートのボリュームが大きかったため、振り返るたびにアシスタントさんに後ろのチュールを整えてもらうなど少し手はかかりましたが、その分この衣装の構造美をじっくりと味わうことができました。