今回の鞍山のコスプレは、入念な準備期間を経て形にしました。『アズールレーン』の鞍山というキャラクターは衣装のディテールが非常に多く、とりわけ軍服スタイルの作り込みは圧巻です。白の軍服ジャケットはウエストがキュッと絞られた美シルエットで、襟元と袖口には金糸の刺繍があしらわれ、肩章やタッセルも小道具工房にオーダーメイドで依頼しました。海軍将校ならではの凛とした立ち姿を表現するため、インナーにコルセットを仕込み、撮影前日は食事を極力控えて引き締まったボディラインを追求。ウィッグにはほんのりミントグリーンを帯びた亜麻色を選び、ツインテールのレイヤーを丁寧に梳き、象徴的な赤い角は3Dプリンターで造形した上にウレタン塗装を施して上質な光沢を出しました。
撮影初日の最初のロケ地は埠頭で、停泊する軍艦を背景に据えました。強い日差しで目がくらむほどでしたが、最高の画を撮るために集中力を研ぎ澄ませてポージング。アウターの濃紺のマントは重厚なベルベット生地だったため撮影中にじっとりと汗をかきましたが、白のブーツを鳴らして桟橋を歩く姿には圧倒的なオーラが宿りました。2着目の軍服の座りポーズでは小道具のトロンボーンを構えていたところ、一羽のカモメが楽器の上に舞い降りて居座るという嬉しいハプニングが発生。笑いを堪えて肩を震わせる瞬間をカメラマンさんが見事に切り取ってくださり、驚くほど生き生きとした一枚が誕生しました。
続いて作品の階調を深めるため、夕暮れ時の遊園地へと移動し観覧車に乗り込みました。日没の光はとても柔らかく、パープルのカジュアルジャケットに白のワンピース、黒のレースアップブーツとルーズソックスを合わせ、手にはオレンジジュースのカップを携えました。軍服の厳粛さとは打って変わった日常の情緒が心地よく、観覧車のゴンドラから夕暮れの街並みを見下ろしていると心が静かに解き放たれていくのを感じました。ただ、重いブーツで階段を上り下りするのは足裏が擦れてなかなかの重労働でした。
最後のロケーションは山頂でのサンセット撮影でした。ノースリーブのドレスにヒールのロングブーツを合わせ、太もものハーネスベルトが歩行を制限するため一歩一歩慎重に前進。夕日の沈むゴールデンアワーを捉えるため、撮影クルー全員で重い機材を担いで30分以上山道を登り続けました。岩場の上に立ち、吹き抜ける強風にマントを激しくなびかせた瞬間、重ねたすべての苦労が一瞬にして報われたと確信しました。
長年二次元コスプレを愛してきた身として、作品ごとにキャラクターの魂に寄り添い、新たなビジュアルの可能性を切り拓く挑戦は格別の喜びです。軍艦から観覧車、そして雄大な山頂に至るまで、シャッターを切るたびにキャラクターとの対話を重ねました。肌のキメを残しながら光と影を丹念に調整したレタッチ作業にも数日を費やしました。これが私自身の表現した鞍山であり、次なる撮影計画への期待で胸が高鳴っています。ウィッグのカットは技術を要し、頭頂部が潰れないようツインテールの位置と毛量をシビアに調整。メイクはアースカラーをベースにアイホールの深みを演出し、目尻に赤みを差してキャラクターの個性を強調。強い照明でもテカリが出ないようリップはマットに仕上げました。軍艦での硬質な光にはレフ板で影を和らげ、観覧車内の逆光では露出を丁寧に補正。夕日の暖色を狙った山頂ロケでは日没直前のわずか十数分の勝負となりました。軍服の硬質感、カジュアルジャケットの柔らかさ、ドレスの軽やかさなど、素材ごとの光の反射の違いを捉え切るプロセスはまさに至高の体験でした。猛暑と冷気に晒されながら2日間にわたって紡ぎ上げたこのアズールレーン コスプレから、多彩な世界観の響き合いを感じ取っていただければ幸いです。