今回のオデットの撮影は実は8月14日に終えていたのですが、最近の過密スケジュールでなかなか時間が取れず、ようやく現像・レタッチを完成させてお届けできました!撮影自体は本当に楽しく充実した時間だったので、当日のこだわりや舞台裏のエピソードを皆さんにシェアしたいと思います。
衣装についてですが、ステンドグラスの背景に映える青・白・金のカラーリングが息を呑むほどフォトジェニックでした。質感の再現度を高めるため、生地にあしらわれた金色の刺繍紋様やカットアウト、ウエストに輝く紅いハート型のジュエルパーツなど、細部のディテールを念入りに調整。光沢とマット素材が切り替えられた仕立ては縫製の美しさが際立ちます。特に上半身のタイトなコルセットカッティングは、着用中常に美しい姿勢をキープする必要がありましたが、その甲斐あって写真越しに息を呑むほどしなやかなボディラインを描き出してくれました。ボトムスのパニエ風ふんわりスカートは重厚なレイヤード構造で、外側は上品な白の地模様、裾には鮮やかなブルーのパイピングが施され、歩行時や腰掛けた際にふわりと広がるボリューム感がとても幻想的です。
ウィッグのスタイリングも大仕事でした。立体的なレイヤー感を出すため、顔周りの後れ毛やもみあげをミリ単位で梳いて毛流れを整え、繊細なラメを散らして光の反射をプラス。メイクはバイオレットブルーのカラコンにほんのり赤みを効かせたアイシャドウを合わせ、オデット特有の優美でミステリアスな気品を追求しました。手元に纏ったダークブルーのフィンガーレスグローブにも固有の紋様がプリントされており、こうした細やかな小物の積み重ねが全体の再現度を大きく底上げしてくれました。
撮影で手にした長弓の小道具はずっしりと重量があり、長時間構えていると腕が少し痺れるほどでした。それでも美しい弓引きのポージングを叶えるため、カメラマンさんと筋肉の引き締まりや表情、指先の細やかな角度に至るまで徹底的に擦り合わせを重ねました。弦を引き絞る瞬間は瞳の焦点を研ぎ澄ませることで、凛とした力強さを宿しています。床には柔らかな白いファーマットが敷き詰められていたため、膝立ちや座りポーズも伸びやかに表現でき、鳥籠やフラワーアレンジメント、照明が紡ぎ出す美しい木漏れ日のような光玉と相まって、極上の世界観を創り出しました。足元にはゴールドのハイヒールを用意しましたが、画面の柔らかさを引き立てるため、大半のカットはマットの上で素足やストッキングのままポーズをとり、スカートのドレープを軽やかに整えました。
この日着用した柄入りの白ストッキングは、脚のラインをすっきりと美しく引き締めるとともに、全体のブルー×ホワイトの世界観と完璧に調和。着付けからスカートの広がりを整える所作、ウィッグ飾りの頑丈な固定に至るまで、繊細な気配りと忍耐を要するスタイリングでしたが、仕上がった作品を目にした瞬間、すべての苦労が報われたと実感しました。気付けば撮影から半月以上が過ぎてしまい、次の撮影までは少し間が空きそうですが、まずはこの大切な記録をここに残したいと思います。