スタジオ内にあらかじめ組まれた雪景色と、白のふわふわコーデをメインとしたこのビジュアルスタイリングが相まって、カメラの前で非常に冷涼でクリーンな世界観を表現してくれました。今回『勝利の女神:新たな希望』のブラン:ホワイトラビットとして登場するにあたり、衣装の核心となる特徴はこの白のショート丈ボア切り替えジャケットです。ジャケットにあしらわれた金色のクロスコードの編み上げは私のお気に入りのディテールで、純白のマンネリ感を打ち消し、タクティカルギア特有の引き締め感をプラスしてくれます。また、左腕の黒白ストライプの腕章も、視覚的なフォーカスをしっかり固定してくれます。
下半身には黒のショートパンツと、2層のファーを重ねたデザインの白のオーバーニーブーツを合わせました。キャラクター設定のしなやかさを表現するため、ベースとなる黒のストッキングコスプレの質感にもこだわりました。このスタイリングは着用者のスタイルプロポーションが重視されるため、雪の木枠背景でかがみポーズの撮影をする際は、常に背筋を伸ばすよう意識する必要がありました。
衣装だけでなく、ウィッグとメイクの組み合わせも極めて重要です。カットを施した白髪ウィッグをふんわりとしたツインテールに結び、頭頂部の白いファー帽子と小悪魔のような2本の白い硬質角を合わせることで、抜群の存在感を演出しました。赤いアイシャドウと同系統のカラコンに、透明感のあるベースメイクを合わせることで、カメラの前で瞳が一段と輝き、キャラクターの持つ静かで凛とした雰囲気を引き立てています。
今回の撮影で使用した小道具には、キャラクターのイラストが描かれた長方形のカードと、メカニカル感と可憐なグラフィティが詰まった白いアサルトライフルが含まれています。このプロップガンの塗装は非常に繊細に仕上がっており、赤・黒・白の配色が全体の白トップス×黒ボトムススタイルに見事にマッチしています。銃を構える際は細心の注意が必要で、構えた時の威圧感を自然に表現しつつ、衣装の重要なストラップやワッペンなどのディテールを隠さないようにしなければなりません。そのため、屈みポーズでの撮影では手元の銃の高さや位置を何度も微調整し、同時に銃身を使って視線を誘導する工夫を凝らしました。
撮影当日の気温は実際かなり低く、冬のロケーションに合わせるため現場では人工降雪機が大量に使用されました。衣装には厚手のファー素材が含まれていますが、スタイリングのスマートさを保つためジャケットの前開きデザインによってウエストと腹部が完全に露出しており、実際の撮影では防寒との戦いでした。ですが、今回の作品は光と影の当たり方が実に素晴らしく、ファーのふんわり感と白い外殻の光沢感が白飛びすることなく美しく残されています。
撮影プロセスにおいて、表情管理もこの写真集の非常に重要な要素でした。キャラクターの設定は通常、冷静でどこか浮世離れした空気感を纏っているため、カメラの前で笑顔を見せすぎたり、逆に冷たすぎたりしてはいけません。私は顎の角度と視線の落とし所を通して、静かに観察しているような状態を表現しようと試みました。特にカードを手にしたカットでは、手元の動きが比較的シンプルな分、目線の力で構図の余白を埋める必要がありました。今回の衣装にはファー要素が多く使われていますが、素材感で差別化が図られています。例えば帽子や袖口の毛足は長くふんわりとしており、襟元やブーツ口の毛足は短く密になっていて、この細かなディテールの違いがスタイリング全体に豊かなレイヤーを与えています。
冬服のスタイリングでありながら、この衣装には十分な軽やかさが備わっています。小道具の銃と雪景色の中で、キャラクターの持つ落ち着きと鋭さが同居する絶妙な空気感を伝えたいと考えました。カメラマンのシャッターのテンポも心地よく、最終的な写真では視線の表現もポージングの張りも目指していた状態に達しました。このようにキャラクターを形にできる機会を得られたことは、原作へのオマージュであると同時に、自分自身の表現力を鍛える良い経験となりました。冬の雰囲気に満ちたこの雪景色写真が、皆様に新鮮な感動をお届けできれば幸いです。