これが私の愛銃。今回の朝田詩乃のコスプレ写真を最高のクオリティで形にするため、準備から撮影に至るまで2ヶ月近くの時間を費やしました。
『ソードアート・オンライン』のファントム・バレット(GGO)編といえば、誰もが廃墟の中で大型スナイパーライフルを構える青髪の少女を思い浮かべるはずです。詩乃(シノン)というキャラクターには、戦場で冷静沈着に標的を撃ち抜くスナイパーの顔と、少女らしい繊細さや不屈の強靭さが同居する唯一無二の魅力があります。その質感を現実の世界で再現するため、装備の細部まで徹底的にこだわり抜きました。
この衣装はレイヤードの立体感が非常に際立っています。最下層には両腕に黒いストラップが走る白の長袖インナーを着用し、その上に特徴的な鮮やかなイエローのショート丈タクティカルベストを重ね、首元は高めのスタンドカラーで引き締めました。首の後ろからたなびく長い白いマフラー(リボン)はこのスタイリングの魂ですが、撮影時に風の動きをコントロールするのが最も難しい難関でした。風を孕んで美しく宙を舞う躍動感を切り取るため、カメラマンさんとアシスタントさんが横から何度も布端を振り上げ、自然な一瞬が定着するまで何十回もシャッターを重ねました。ボトムスは黒のレザーショートパンツにオリーブグリーンのタクティカルレッグゲートルを合わせ、太ももに食い込むストラップや金属バックルが無骨なカッコよさを放つ反面、長時間の着用で肌にしっかり痕が残るほどでした。
何より語るべきは、この手に握る特注の対物狙撃銃です。劇中の設定通りかなりの重量感があり、この巨大なライフルをブレずに構え続けるため、撮影前にジムへ通って腕の筋力を鍛えて臨みました。背中を向けて振り返り、左手で銃を支えて右手を前へと伸ばすカットは、一見クールで優雅に見えますが、実際は体幹の安定性と腕力を極限まで使う過酷なポーズでした。銃身の重みに耐えながら背筋の美しいラインを維持するため全身に力を込め続けており、撮影を終える頃には腕が上がらなくなるほどの疲労感でした。
ロケ地には重厚でダークな廃墟風の工業エリアを選定。サイバーパンクとポストアポカリプスの退廃的な世界観を演出するため、照明スタッフが寒色系のサイド逆光を当ててエッジライトを立たせ、被写体の立体感を際立たせました。空間を漂う粉塵のような粒子は、レンズの前で特殊効果用のパウダーを散らし逆光を浴びせたもので、青いウィッグやタクティカル装備と相まって、冷徹でメカニカルな美しさが一気に立ち現れました。
コスプレとは単に衣装を着てポーズを取るだけでなく、その瞬間のキャラクターの心理状態に深く没入することです。スナイパーとしての説得力を宿すため、銃のホールド感、身を潜めるクラウチング姿勢、鋭い視線の焦点の合わせ方を鏡の前で何度も叩き込みました。タクティカルな所作は力の入れ方を誤ると一気に腰砕けに見えてしまうためです。ウィッグのカットから冷徹さを帯びたメイク、衣装のエイジング(ウェザリング加工)に至るまで、すべての工程に妥協なく向き合いました。
重量級のプロップを扱うタクティカル系コスプレは体力的に大きな挑戦ですが、その分クリエイティブな高揚感は格別です。このライフルを携えてセットに立った時、絶望の淵で自らの力を見出そうとした彼女の孤独な覚悟に触れられたような気がしました。装備の脱着やメンテナンスにまだまだ時間がかかるので、本日はこれにて撤収します。