今回の福州潮柚国慶節コミコンのスケジュールは、D2に『崩壊:スターレイル』のヒアシンシア、D3に『鳴潮』のダーニャというラインナップでした。2日連続でイベント会場を駆け巡り、どちらの衣装も大がかりな小道具を伴うため、パッキングの段階でスーツケースの大半が埋まり、私物を限界まで削って遠征に臨みました。理想通りの絵作りを叶えるため、ウィッグのセットは1週間前からスタート。ヒアシンシアのピンクのハイポニーテールは構造が複雑で、ゴーグル風のメタリックパーツやリボンなどの髪飾りが付いているため、ヘアワックスとハードスプレーを新調して前髪やサイドの毛束を固め、会場を一日中歩き回っても崩れないキープ力を確保しました。D2の衣装は白と黒のバイカラーを基調とし、透け感のあるシフォンスリーブがあしらわれているため、裾を踏まれないよう歩行時は常に細心の注意を払いました。足元はクロスストラップの黒いハイヒールを選び、会場内を歩き回るため足裏には靴擦れ防止パッドを貼って対策。D3のダーニャは赤と白のコントラストが華やかなドレスで、背中やウエストの編み上げ紐の着脱が一人では難しいため友人に手伝ってもらいました。ウィッグはピンクのツインテールに毛先が鮮やかなシアンブルーへと変わるグラデーションで、染毛料を使って自分の手で少しずつ丁寧に染め上げたものです。下半身には白ストッキングのタイツを合わせましたが、熱気のこもる会場内では蒸れやすく伝線のリスクもあるため、予備を1足常備して挑みました。小道具は極端に重くはないものの体積が大きく場所を取るため、ポーズをとる際は体幹をしっかり引き締めて重心を安定させました。
相互無償(TFP)撮影において、私は事前のコミュニケーションを何より大切にしています。衣装の資料画像や表現したい世界観、小道具やディテールが美しく映えるアングルをあらかじめカメラマンさんに共有。撮影データは基本的な色味の調整のみで過度な肌補正や輪郭補正は不要とお伝えし、自分の理想とする肌感や輪郭に仕上げるため顔のレタッチはすべて自分で行う方針をとっています。会場に到着後は、光の回りが良く比較的人通りの少ないスペースを探してテスト撮影を行い、構図と露出を確認。混雑を極めるコミコンの環境下でベストな撮影スポットを見つけ出す作業はカメラマンの観察眼が試され、順番待ちの列に並ぶこともしばしばでした。撮影自体は非常にスムーズで、2日間でたくさんの素晴らしい撮って出しデータを残すことができました。これからは数千枚の膨大なカットから構図と表情が完璧なものを厳選し、レタッチの工程へと進む大仕事が待っています。準備から完成までの道のりは非常に長いですが、スタイリングや小道具を完璧なビジュアルとして形にできた瞬間の達成感は何物にも代え難い喜びです。全力を出し切った2日間で身体はくたくたですが、心は充実感で満たされており、この熱量に見合う最高の写真をお届けできるのを楽しみにしています。