今回の写真はBW Day1の硬質な光が差し込むブースで撮影したものです。長蛇の列の中でタイミングを見計らってこの撮影スポットを確保できたのは、本当に幸運でした。右側の補助ライトの光量がかなり強く、肌に直接熱を感じるほどだったため、汗でメイクが崩れないよう余計な動作を極力減らしました。スタジオライティングは自然光での撮影とは大きく異なり、右側からの硬い光が顔に明確な明暗の境界線を描き出し、このコントラストが衣装の寒色系トーンに完璧に調和して金髪少女の凛とした表情を引き立ててくれました。
衣装は白のシャツにダークブルーのスカートを合わせたもので、この2着の生地感はポージングの美しさが如実に試されます。白シャツの肩や胸元に不自然なシワが寄らないよう、常に背筋をピンと伸ばすことを意識しました。ダークブルーのスカート生地はハリがあり、定位置に立つと裾が自然に美しく落ち、光を浴びて綺麗な陰影の層を作り出してくれます。装飾を排した極めてシンプルな組み合わせだからこそ、全体のラインの美しさと清潔感を際立たせる必要がありました。
大剣の小道具は想像以上にずっしりと重く、構え続けるのはなかなかの力仕事でした。カメラの前で軽やかに構えているように見せるため、体幹で腕を支えつつ、剣の高さや握る角度を細かく調整しました。鍔(ヒルト)にあしらわれたゴールドとブルーの紋様が照明を浴びて鮮やかに輝き、刀身に施された緻密なエッチング模様が絶妙な角度で光を反射して、画面に重厚な金属の質感を加えてくれました。
撮影後の写真を確認して思わず苦笑してしまったのが、ペタッと寝てしまったアホ毛でした。イベント会場内を慌ただしく移動していたため手入れをする時間がなく、頭頂部で完全に横たわってしまっていたのです。最初はレタッチで無理やり立たせようとも考えましたが、見れば見るほどこの状態の方がリアルに感じられました。BWイベント写真だからこそ、多少の不完全さがかえって会場の慌ただしさや生々しい熱気をリアルに残してくれます。作り込まれた完璧さを程よく崩し、写真に適度な抜け感を与えてくれました。
撮影時の表情管理は難関の一つで、カメラマンからは常にクールで研ぎ澄まされた表情を保つよう指示を受けました。レンズの少し横に視線を据え、無駄な表情を排して顎を引き、前方を真っ直ぐ見据える。この感情を抑えた緊張感と横向きで剣を構えるポーズが組み合わさることで、キャラクターならではの威厳あるオーラをしっかりと表現できました。光が片側から当たるため暗部はやや影に溶け込み、サイドの輪郭だけがくっきりと浮かび上がるため、立ち位置の正確さがシビアに求められました。何度か微調整を重ねた末、白シャツの陰影、スカートの直線美、そして刃の反射光がすべて一つの視覚的中心に収まるベストポジションを見つけることができました。
普段のイベント写真では完璧を求めがちですが、今回のように寝てしまったアホ毛といったハプニングをそのまま活かすことで、写真に息づかいが生まれました。極限まで肌をなめらかに加工した写真と比べても、こうした質感のあるBWイベント写真は現場のリアルな空気を存分に伝えてくれます。準備は慌ただしく、スタジオライティングの熱気で挫けそうにもなりましたが、立体的な光と影、そして大剣の小道具のディテールが美しく捉えられた仕上がりを見て、早起きして駆けつけた苦労がすべて報われたと感じました。