今回ようやく、溜めていた忍野忍コスプレのロケ衣装のストックをすべて整理し終えました。しのぶ特有のアンニュイでありながらキュートな雰囲気を再現するため、葉の隙間から木漏れ日が柔らかく差し込む午後3時の屋外環境をあえて撮影場所に選びました。ストローハットとピンクのリボンがついたホルターネックのドレスがスタイリングの中心で、白いふんわりとしたスカートの裾に2層のピンクの裏地を合わせることで、歩くたびに自然なレイヤー感を生み出してくれます。全体をよりキャラクター設定に近づけるため、あえて華やかすぎるアクセサリーを排除し、緑の玉(ヒスイ)のブレスレットだけをアクセントとして残すことで、過度な甘さを和らげ、『化物語』の世界観が持つどこか古風で異質な空気感を醸し出しました。
撮影の中で一番面白かったのは、やはり「ドーナツ」の小道具とのやり取りです。原作設定におけるしのぶのドーナツに対する執着とも言える好みを踏まえ、すべてのシーンにこのスイーツを組み込みました。階段に腰掛けて一口かじったり、片足立ちでさりげなく顔の横に掲げたり、あるいはストローハットを放り投げる瞬間など、この小さなお菓子がカメラの前での緊張感をほぐす重要な鍵となりました。帽子を放り投げたカット(写真7)についてですが、片足でのバランスを保ちつつ身体を伸びやかに魅せるため、実は何度も試行錯誤しました。軽いストローハットの空中軌道を読むのは難しかったものの、帽子がちょうど手のひらの元へ落ちてきてスカートの裾がナチュラルになびいた瞬間を捉えることができ、驚くほど躍動感のある仕上がりとなりました。
メイク面に関しては、しのぶならではの人間離れした神秘的な雰囲気に合わせるため、アイシャドウのピンクのグラデーション範囲を広げ、目尻のラインを長めに引きました。顔の片側を覆う前髪のトレードマークなヘアスタイルと相まって、眼差しに絶妙な距離感を持たせつつ冷たくなりすぎない印象に仕上げました。夏のロケ(ロケーション撮影)における最大の難所は光の変化で、特に黄色いウィッグを撮影する際、自然光の直射によって髪色が白飛びしやすくなります。そのためカメラの露出補正を調整して背景をわずかにトーンダウンさせ、金髪少女としての金髪と白いドレスのコントラストをよりクリーンに際立たせました。
セット内にはいくつかの静的な立ち姿のポーズもあります。例えば水辺の階段前での2枚(写真1と写真8)では、身体の重心をやや後ろにかけ、顎を軽く上げることで、人間を見下ろすような高飛車な佇まいを表現しました。一方、白い手すりの前での動的なスナップ(写真2と写真6)では身体の伸びやかさを強調し、両腕を前に伸ばしたり高く掲げたりする動きによって少女特有の軽快さを醸し出しています。こうした肌見せ度の高い夏のドレスにおいては、ラインを無理にアピールするのではなく、ナチュラルなボディランゲージを通じて衣装と身体に呼吸感を与えることこそが重要であり、風にスカートが揺れる際にも膝のラインがより柔らかく映ります。
以前から多くのファンの方々から「アーカイブの写真が見たい」とコメントをいただいていたため、今回は未処理のハイビジョン原稿写真をすべて公開しました。後処理(レタッチ)では基礎的な肌色の統一とソフト光処理のみを施し、過度な肌補正を避けることで、素肌感と環境光がもたらす冷暖対比をそのまま残しました。実はしのぶのようなキャラクターを撮影する最大の難点は衣装の再現ではなく、「妖しい神秘さ」と「可憐さ」という相反する二つのニュアンスのバランスをいかに取るかにあります。ピンクのリボンと白いドレスは視覚的な甘さであり、金髪少女としての金髪と静かな注視には眼差しに少しの反逆さを宿す必要があります。撮影時は笑顔の回数をあえて減らし、半ば疑問や戯れを込めた微小な表情に維持することで、観客が『化物語』特有の独自の世界観へとより深く没入できるように配慮しました。
最後にカバー写真を選ぶ際、かなり頭を悩ませました。写真2の双方でジェスチャーを作る動作は構図上、視線が腕や腰元に集まりますが、しのぶのトレードマークである「気のない脅威感」を完璧に表現できていると感じました。順光が顔に当たり肌の透明感が際立ったこともあり、これを1枚目の写真に選びました。今回のロケ撮影全体を通して1万歩以上歩き回り、スカートの裾に草がついたりもしましたが、作品の中に晩夏から初秋にかけての微かな涼しさと活発な空気がしっかりと刻まれました。これこそが屋外写真(ロケーション撮影)の最も魅惑的な部分であり、ポーズを微調整する過程の中で、キャラクターの真実の側面に不意に出会うことができるのです。