今回の風神の姿を描いたコスプレでは、『原神』に登場するウェンティの最もクラシックな白とゴールドを基調とした衣装を採用しました。自由と詩歌を象徴する縦琴(ライアー)を抱き、微風が吹き抜けるとき、まるでテイワット大陸のゆったりと自由な空気を肌で感じているかのようでした。今回の撮影では精巧に作られた大きな白い羽の翼を装着し、ブルーのツインおさげ髪と白いお花の髪飾りを合わせることで、神ならではの軽やかさを再現するよう尽力しました。ウエスト部分をのぞかせるデザインと白のオーバーニーソックスが、後処理の光影効果と相まって、キャラクターのエルフのような透明感を際立たせるだけでなく、全体のスタイリングの細かな美しさを見事に引き立てています。
今回の撮影でお世話になったカメラマンの糖木有さんには心から感謝しています。私が表現したかった息遣いや振り返る瞬間のひとつひとつを、実に鋭く捉えてくれました。レタッチやレイアウトに関しては、塗令さんが素晴らしいコラージュデザインを手掛けてくださり、異なるロケーションの写真にストーリー性を与えてくれました。メイク・スタイリングでは弋君さんに特に感謝です。強い光の下で青髪が浮いてしまわないようにしつつ、風神特有の浮世離れした神性を表現するため、ベースメイクとアイシャドウの調整に長時間を費やし、どこか気怠くも清々しいニュアンスを作り上げました。また、サポートしてくれたアシスタントの灝湮さんと若寒さんは、現場で非常に場所を取る大きな翼の扱いをはじめ、様々なプロップの着脱や移動の調整を手伝ってくれました。彼らの助けがなければ、この作品のクオリティは大きく下がっていたはずです。
撮影ロケーションの選定では、あえて対照的な2つの環境を用意しました。1つは開けた芝生の上で、背景には青空と連なる雪山が広がり、軽やかな身のこなしで草原を駆け抜けたりたたずんだりしながら、後から加えた舞い落ちる葉や飛ぶ鳥のエフェクトと相まって、風に乗って自由に駆け巡る感覚を表現しました。もう1つのロケーションは、古代の神殿の雰囲気を漂わせる廃墟の中です。立ち並ぶ石柱や巨大な扉、アンド静かに流れる深いブルーの小川が、静寂で神聖な空気を演出してくれました。神殿の低い壁に腰掛け、目を閉じて静かに縦琴を奏でる瞬間の構図は、このキャラクターの根底にあるロマンチシズムに見事にマッチしていました。
コスプレ全体のプロセスのなかで、最大の難関は実はポージングの表現力にありました。ウェンティは風神として、外見の美しさだけでなく何よりも「リラックス感」が求められるキャラクターです。ポーズが硬くならないよう、草原を何度も行ったり来たりしながら手にした縦琴の重みを感じ、時には目を閉じて思考を空っぽにすることで、自然体で静けさをたたえた瞬間を捉えられるようにしました。また、脚のタトゥーやレッグリングの細部も今回のスタイリングの魅力的なポイントで、オーバーニーソックスに包まれることで、キャラクターの視覚的な情報量と洗練されたセンスを大きく高めてくれています。
実のところ、このキャラクターのコスプレをしたのは、『原神』の中にある美しいファンタジーの世界観にオマージュを捧げたいという気持ちが大きかったからです。風、蒲公英、詩歌、そしてライアーの音色。現実世界の草原や西洋風建築の前で、都会の喧騒から離れたあの情景を全力で再現しようと努めました。この衣装を身にまといプロップを手にするたび、自分自身もファンタジーの旅に出ているかのような感覚を覚えます。今回の写真集を通じて、私が作り出そうとした風の優しさを皆さんに感じていただけたら嬉しいです。これらの写真は単なるコスプレ撮影にとどまらず、作品の中にある美しい想いを具現化したものであり、私はこの創作プロセスを心から楽しむことができました。