今回のユニコーンの水着スタイリングは、構想から撮影本番まで半月以上の時間を注ぎ込みました。ロイヤルネイビーの航空母艦ならではの高貴で儚げな気品を表現するため、衣装のフリルやハイネックのあしらい、象徴的な金属パーツに至るまで、仕立て屋さんと綿密に打ち合わせを重ねました。ウィッグには発色の美しい淡いパープルを選び、サイドにお団子を結い上げて純白のレースフラワー髪飾りをセット。原作の愛らしいビジュアルを極限まで追求しました。仕上がった写真を見たフォロワーさんからは「涼しげで素敵」という声を多くいただきましたが、実際の撮影現場は優雅な画面からは想像もつかないほど過酷なものでした。
ウォーターパークと屋外プールでのロケ撮影は何日にもわたって敢行。1枚目と2枚目はプールの中で撮影したのですが、浅瀬とはいえ白い手すりに身体を預けて自然なポーズを保ち、水面のきらめく反射光を顔立ちに綺麗に回すため、立ち位置の調整だけでも体力を削られました。何より水中でのストッキング着用は想像を絶する大変さで、一度水を吸うと生地が重くなってズレ落ちやすく、2〜3カット撮るたびにプールサイドへ上がって整え直す作業の繰り返しでした。9枚目の岩場に腰掛けるカットも、ゴツゴツとした岩肌が背中に食い込み、体幹の筋力をフル稼働させて姿勢を維持していました。
続いて挑んだビーチロケでは、砂浜の直射日光が眩しく、白いレフ板の照り返しで目を開けていることすら困難な状況でしたが、写真の完成度のため気力を振り絞って表情をキープ。4枚目の片足を上げたポーズは不安定な砂地の上でバランスを取るのが至難の業で、何度も体勢を立て直してようやく成功させました。6〜8枚目の粗い砂の上での膝立ちポーズも膝が擦れやすく、コーディネートした繊細なレースの白ストッキング(オーバーニーソックス)は伝線しやすいため、一歩動くのにも綱渡りのような慎重さが求められました。
ユニコーンの「お兄ちゃん…なら、いいよ…?」という台詞に象徴される、従順でありながらどこか蠱惑的なニュアンスを、視線と指先の所作で表現することに腐心しました。少女の初々しさとカメラに向けた艶やかな緊張感を共存させるべく集中。背中が大胆に開きハイレグカットが施された水着ゆえに、ポージング時の着崩れ防止にはボディテープが大活躍してくれました。カメラマンの蒲牢411(プーラオ411)さんが粘り強く寄り添い、光のコントラストを絶妙にコントロールしてくださったおかげで、青空、ヤシの木、澄んだ水面といった複雑な背景と被写体が見事な調和を遂げました。
この作品は、まさに王道の屋外水着ポートレートの醍醐味が詰まっています。「ポートレートの三大要素はモデルの魅力」という冗談もありますが、撮って出しの段階で美しい自然光の下では、被写体がリラックスして呼吸を合わせるだけで極上の絵作りが生まれます。過剰なフィルターを排し、素肌のリアルな質感とクリアな水の透明感を大切にした現像トーンも大満足です。ウィッグのセットからロケ地の奔走、細やかなレタッチに至るまで、注ぎ込んだ情熱のすべてが報われました。夏、水飛沫、そしてユニコーンが織りなす特別な煌めきが、皆様の心に爽やかに届くことを願っています。