今回の撮影の重点は、完全にセットや小道具が持つストーリー性(叙事感)にあるため、この廃土(マッドマックス風)とサイバーパンクが交錯するニュアンスを持つ空間を構築することに多大なエネルギーを注ぎました。
まずロケーションについてですが、床には大量の本物に近いフェイクグリーンモス(苔)を敷き詰めました。この柔らかく生命感に満ちたベースが、画面の中の硬質なレトロCRTテレビや、上部に浮遊する巨大な発光幾何学体と非常に強烈な素材感の衝突(マテリアルクローク)を形成しています。構図を決める際、私はあえて古いテレビを左側に積み重ねて暗部の前景(フロントグラウンド)にしました。これにより画面の重心を落ち着かせるだけでなく、モニターの反射を通じて色彩の豊かさをプラスすることができます。上部に吊るした光源のキューブは、通常のLEDベースライトではなく、特殊な調色を施した冷白色のライトパネルで、無重力状態や、どこか圧迫感のあるSF的な光源をシミュレートできます。過度に冷え切った画面を中和するため、左側のテレビの底部やステージの縁(エッジ)には、暖色系の逆向補光ライトをこっそり2基仕込みました。このように冷白と暖黄が交錯することで、全体のビ域のカラー温度(色温レイヤー)がより立体的になります。これがスタジオ撮影のセット制作の妙味です。
次に、この衣装のデザインディテールについて。ピュアホワイトとホワイトグレーのカラー系は、強い光下で非常に白飛び(過曝)しやすいため、素材の選定が特に重要でした。外側の大きな袖の生地にはシルクのような光沢のある反射感があり、内側にはダークグリーンのメタリック感を持つ生地がドッキングされています。この重厚感と浮遊感のレイヤー(重ね合わせ)が、全体の「廃土SF風」というテーマに実に見事にマッチしています。首元の発光モジュールはかなり大きなハイライト(見どころ)で、配線やバッテリーを隠す必要があり、さらに様々なポージングをした際にも引っ張られてズレないように保証しなければならず、これは衣装のカッティングや型紙のクオリティに非常に高い要求を突きつけてきます。私個人としては、脚元の黒タイツのレースアップ(绑带)デザインがとても気に入っており、白いスカートの純粋すぎる単調さを打ち破り、ちょっとしたタクティカル(機能風)な要素と戦闘的なニュアンスを添えています。白髪のヘアスタイルに頭の上の獣耳アクセサリーを合わせた造型は、このコーディネートの魂であり、プラスチック感ではなく自然な質感(毛躁感)を表現するために、髪の毛を一筋ずつレイヤーを分けてスタイリングし、獣耳ウィッグの完成度を高めました。これぞオリジナル設定ならではのこだわりです。
光線と撮影については、カメラマンと私の連携が極めて重要でした。浮遊するキューブ自体が元々発光属性を備えているため、真正面から強いメインライトをダイレクトに当ててしまうと、上部のキューブが完全に白飛びして立体感を失ってしまいます。そのため、私たちはライティングの際、サイドからの逆光(側逆光)をメイン光源として採用し、光を斜め後ろから回り込ませるようにしました。これにより、人物や衣装の輪郭光(リムライト)を描き出せるだけでなく、浮遊するキューブの透明感やかすかなディテール(紋理)を維持することができます。今回の写真集は、過度なレタッチや大がかりな色調整を行っておらず、事前の段階で光と影をしっかりと定着させることを大前提としました。現像(修図)では、セット内の不要な床の雑物を取り除いたり、人物のプロポーションをわずかに引き伸ばして、視覚全体をより伸びやかに見せる処理をメインにしています。
今回の写真集は、撮影時の臨機応変な現場対応(臨場反応)が非常に強く求められました。浮遊するキューブの位置、ひるがえる私の衣装の裾のアングル、さらには足元の苔の起伏さえも、最終的な完成写真の完成度に影響を与えるからです。撮影中、私はずっと床に跪(ひざまず)いていましたが、これは衣装の裾や両脚のラインを綺麗に見せられるポーズであると同時に、床の低い位置にあるテレビ設備と同じ高さの目線を維持したかったからです。大きな動きをあえて控える(不做太多大动作)ことで、小道具たちが静かに自らのポジションを守り、画面が過度に雑然とするのを防ぐことができます。写真撮影というのは、単にシャッターを切るだけでなく、空間、光、そして人物という3つの要素をコントロール(三重調度)する営みなのです。今回挑戦したセットのスタイルは、これまでのものとは少し異なり、特定のストーリー性(故事感)を持つ瞬間をキャプチャすることに特化しています。撮影の合間にも、私は時折テレビの位置を微調整したり、浮遊するキューブの角度をほんの少し回転させたりして、胸元のデコレーションにちょうど光の玉(光斑)が落ちる最高の瞬間を探していました。このようなコンセプト寄りのセットや撮影手法が、個人の撮影(私影)が好きな方や、スタジオでのセット構築を考えている友人たちに、ちょっとしたインスピレーションを届けることができれば幸いです。結局のところ、相応しい空気感を構築(营造)できれば、多くの画面のフィーリングは自然と溢れ出してくるものなのです。充実したコスプレ表現となりました。