スマホを横画面にしてこのパノラマワイド写真をご覧ください。私たち5人はこの企画のために丸2ヶ月間をかけて準備を重ねてきました。今回選んだテーマは『アークナイツ』と『Ave Mujica』が融合した大型併せ(団片)であり、豊川祥子 コスプレを担当する者として、画面全体のセンターおよび世界観を掌握する必要がありました。長テーブル、燭台、鳥かごといった小道具の配置は、現場で数え切れないほど微調整を繰り返しました。余談ですが写真の5人は全員人間の設定ですが、このダークゴシックな世界観に寄り添うため、重厚なレザーコルセットやメタルチェーンをあしらった衣装、そしてストッキング コスプレを取り入れています。撮影当日のスタジオ内は実はかなりの高温で、幾重にも重なる重厚な衣装を身に纏いながら冷徹な表情を保ち続けるのは、まさに大きな挑戦でした。ウィッグのセットからメイクのニュアンスに至るまで、細部まで徹底的にこだわり抜きました。例えば、豊川祥子の白髪はぺたんこにならないよう立体的なレイヤーを施し、若葉睦コスプレでは黒のライダースレザーとゴーグルでシャープかつ凛々しい佇まいを強調。八幡海鈴のライトブルーのウェーブヘアは青紫のライティングの下で美しい質感を際立たせ、三角初華の淡いゴールドヘアに獣耳の帽子は柔らかく仕上げ、祐天寺にゃむの銀白色ロングヘアは暗めの空間で特別に光を補うなど、細やかな配慮を行いました。照明設計には長い時間をかけ、衣装のレザーの反射や金属パーツの鈍い輝きを引き出すため、メインライトには寒色系の色温度を採用。背景には重厚な暗幕とブルーのオーガンジー(紗)を敷き詰め、床面にはダイヤ型のラインストーン反射素材を散りばめることで、水面や魔法陣の上に佇んでいるかのような幻想的な空気感を演出しました。手にしたワイングラスやテーブルに置かれた分厚い魔導書のような洋書など、細やかなディテールが画面の物語性を豊かに底上げしてくれています。大型併せ撮影で最も困難なのは、同一フレーム内で5人全員の構図のバランスを取り、かつ全員にピントを合わせ切ることです。被写界深度を稼いで全メンバーを鮮明に捉えるため、あえて絞り(F値)を絞り込み、背景ボケを多少犠牲にすることで全員のシャープな解像感を確保しました。最終的に仕上がった作品は、舞台劇のような圧倒的なドラマツルギーと緊張感を放ち、全員のポージングが互いに美しく呼応し合い、誰一人として埋もれることのない至高の1枚となりました。コスプレを愛する者として、このような複雑なコンセプトに心を込めて命を吹き込み、仲間たちと共に密度濃い撮影を成し遂げられたプロセスは、完成した結果以上に心躍る時間でした。この重厚な空気感が、写真を目にしてくださった皆様にしっかりと届くことを願っています。