今回の『原神』における「少女×傀儡」のペア撮影は、事前準備から完成データの仕上がりに至るまで、想定よりもずっと長い制作期間を費やしました。背景の持つ退廃的で神秘的な空気感に寄り添うため、衣装に浮かぶ細やかな地紋、メタリックパーツ、レザーのアームカバーに至るまで、すべて手作業で少しずつ貼り合わせや縫製を重ねました。ウィッグのスタイリングも難関の一つで、毛先の繊細なグラデーションカラーの表現に加え、相方のサンドローネの淡い金髪ロングは豊かなレイヤー感を持たせる必要があり、カットとセットだけで丸一週間近くを要しました。
小道具として用いた光る月のオーブは、アクリル素材で特注したものです。暗がりの中でも均一で柔らかな月光のような質感を放つよう、内部に調光可能な寒色系LEDを仕込み、外側には入念なフロスト(艶消し)加工を施しました。ロケ当日の山林は急激に冷え込みましたが、作中の幻想的な空気感を捉えるため、カメラマンの時崎先生と一緒に空が完全に闇に包まれる瞬間をじっと待ちました。強い環境光が存在しないシチュエーションだったため、すべての光と影の陰影は発光オーブと補助ライトの巧みな計算の上に成り立っています。1枚目の寄りカットでは、球体を覗き込むように顔を寄せ合い、下からふわりと反射する光を浴びながら、瞳に宿る静寂と集中を自然体で引き出すことができました。
2枚目の夜景の広角カットは私自身最も気に入っています。高台に腰掛け、背後には果てしない星空が広がります。ドレスの裾がもたつかないよう脚を前へと伸ばし、ヒールサンダルで甲のラインをすらりと美しく見せ、隣の相方が身につけた白のロングストッキングに光が流れることで脚の輪郭が綺麗に浮かび上がりました。顔を覆わずに髪がふわりと風になびく絶妙な瞬間を捉えるため何度もシャッターを切り直し、画面の中の動的な美しさを追い求めました。
3枚目の俯瞰アングルでは、静かに寄り添い合う佇まいを表現しました。冷たい岩肌の上に座り、2人で目を閉じて静寂に浸る中、小道具のかすかな光が衣装のドレープに落ちた瞬間、寒さや疲労がすべて溶けていくような感覚を覚えました。4枚目の見つめ合うクローズアップは、表情のコントロールが最も試されたカットです。温冷の光が肌の上で交錯する中、私がわずかにうつむき、相方が私を見上げる構図で、瞳の奥に複雑な感情を宿らせました。彼女とのペア撮影は本当に楽しく、カメラの前での呼吸も完璧に一致していました。シャッターが切られるたびに、キャラクターの魂がそこに再構築されていくような尊い撮影体験となりました。