早朝4時、肌を刺すような冷たい潮風が吹き抜ける海辺の岩礁——ここが今回の黒セイバーのコスプレとアルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕(ライダー) コスプレの実景ロケ地です。正直なところ、夜明け前の真っ暗なうちに海辺の岩場を登り、存在感のある赤い発光剣を担ぎながら一歩一歩慎重に進むのは至難の業でした。足元の岩は潮水で濡れて非常に滑りやすかったからです。普段から屋外ロケに慣れているコスプレイヤーとはいえ、こうしたハードな撮影はまさに修行そのものでした。
快適なスタジオ撮影とは異なり、屋外ロケ撮影では光のコントロールと体力が最も試されます。夜明け前の空は完全な暗闇でもなく、かといってすっかり明けてもおらず、水平線にはかすかな朝焼けが残り、海の上には深みのある青紫色の雲が低く垂れ込めていました。この自然光と剣の高輝度な赤い発光部が見事な寒暖のコントラストを生み出していました。
今回の衣装のディテールについては、あえてこのブラックを基調としたデザインを選びました。マントの落ち感が良く、風の強い岩礁の上に立つと自然になびいてくれます。王冠とウィッグの調整にはかなり苦労し、潮風で髪が乱れるたびにカメラレンズの反射を見ながら何度も整え直しました。赤い光剣は小道具ですが、薄暗い環境でも十分な光量を放ち、写真全体のトーンを決定づけ、冷徹かつミステリアスな雰囲気を一気に引き立ててくれました。
カメラマンの「呱唧唧呱」さんには本当に頭が下がります。一つのアングルのために滑りやすい岩場で三脚を微調整するだけでなく、私が安定して自然なポーズを取れる足場を的確に指示してくれました。一瞬、突き出た岩の縁に中腰になりながら、光剣が空を切り裂くダイナミックな軌跡を捉えてくれたこともありました。こうした息の合ったハイレベルな連携があってこそ、単なるポーズ写真にとどまらない本物の緊張感が宿るのです。
なぜ早朝4時という時間に海辺で撮影するのかとよく聞かれます。実は夜明け前の海辺は最も澄んでいて観光客もおらず、潮が引いて現れた岩礁が広大な灰青色の背景を提供してくれるからです。撮影中には予想外のハプニングもありました。例えば光剣の柄が思ったより重く、剣を構え続ける腕が途中でパンパンになってしまったことです。合間に少し休憩を取り、水を飲んで態勢を立て直しながら撮影を続けました。
ですが、カメラのプレビュー画面を確認した瞬間、すべての疲労は吹き飛びました。暗い岩礁と朝靄の光の間に立ち、赤い光を放つ剣を携えたその姿は、キャラクターの孤高で冷徹な世界観を完璧に表現していました。特に黒いスカートの裾から覗くニーハイの黒タイツ コーデは、冷たい潮風と相まって、キャラクターの気品とほんのりとしたセクシーさを絶妙に融合させていました。後半は空が明るくなり光の変化が早くなったため、急いで上半身のクローズアップを何枚か追加で撮影しました。
撮影は約2時間続き、すっかり夜が明けました。海面が黄金色に輝き、朝の漁船がゆっくりと出航し始めたところで機材を片付けて撤収しました。柔らかい砂浜に足を下ろしたときは足が少し震えていましたが、心は達成感と喜びで満たされていました。こうした少しハードな撮影体験は、写真という趣味の奥深さとストイックさをいつも実感させてくれます。
撮影後はカメラマンと近くで温かい朝食を食べに行き、早朝の潮風で冷え切った体を温めるのが恒例です。朝食をとりながら本日の写真セレクトや、赤と青の対比、人物と岩の質感のコントラストといったレタッチの方向性を話し合いました。これは単なるTYPE-MOONのコスプレ作品づくりにとどまらず、週末のエクストリームな挑戦でもありました。どれほど過酷なプロセスであっても、素晴らしい作品を残すことができれば、すべての苦労が写真の前で価値あるものに変わるのです。