アルバムをめくって6年前のこの写真集を目にし、急に感慨深い気持ちになりました。当時はBBというキャラクターに触れて間もない頃で、彼女の持つヤンデレ感とハッカー要素をいかにリアルに写真へ落とし込むかばかり考えていました。6年前、一気に5パターンのBBのスタイリングを撮影しましたが、このナースコスプレは当時一番納得のいく撮影でした。今見返しても、スタジオの空気感や大型小道具の重みを思い出せます。
この衣装で一番苦労したのは、あの巨大なピンクの注射器の小道具です。見た目は小道具ですが手に持つと非常に重く、ポーズを維持しながら表情をコントロールするのは体幹の筋力が試されました。撮影当日は反射率の高いアルミホイルの背景と紫ピンクのLEDグリッドを選び、ライティングによってどこか妖しく危険な研究室の雰囲気を演出しました。ウィッグもバイオレットの耐熱ファイバーを手作業でカットして前髪ともみあげを整えました。BBの髪はストレートでツヤ感があるため、あえてボリュームを出さずしなやかな垂れ感を保ちました。
スタイリングのディテールについて言うと、白いナース服に赤十字の帽子、十字のネックリング、そしてレースのニーハイ白ストッキングとハイヒールを合わせ、全体的な色調は非常にクリーンにまとめました。しかし冷色調のライティングと床一面に散らばった黄白のカプセルが相まって、ストッキングコスプレの中で自然なギャップ感を生み出しています。ハーフリムのメガネを少し低めに設定することで、「舐めないで」と言わんばかりの威圧感を出すことができました。カメラマン様からは常に「表面は優しそうだが実は計算している」眼差しを意識するようアドバイスされました。BBは単純なキュートやドジっ子ではなく、頭脳明晰なキャラクター特有の余裕のある佇まいを持っているからです。
このカット集の中で一番のお気に入りは、巨大な注射器を持った全身写真(カバー写真)です。小道具と身体のスケール感が強調され、白ストッキングとハイヒールのラインが脚長効果を発揮し、画面全体にSF的で幻想的な空気が漂っているからです。床に座って注射器をいじったり金網越しに撮影したカットも、実験環境に囚われているかのような世界観を表現できました。
6年前の作品を見返すと、ライティングやメイクに甘さが見えるものの、細部までこだわり抜いてキャラクターを再現しようとした熱量には今でも胸が熱くなります。衣装のレースのフチ、ウィッグの毛並みのツヤ、小道具の継ぎ目に至るまで、当時は一つひとつ微調整を重ねました。私にとってコスプレとは単に着替えることではなく、そのキャラクターの物語のひとコマを生きることです。時間の経った旧写真ですが、見返すたびに確かな記録だと感じます。ちょうど最近パソコンの整理をしていたので、色調をレタッチし直し、過去の自分への区切りとして投稿することにしました。