今回のカベルネ コスプレ撮影にあたり、カメラマンからは「アンニュイでありながら圧倒的な支配感」を持つ気質を掴むよう何度も強調されました。正直、この深青のオフショルダードレスに複雑な真珠のネックレスや宝石の飾りが加わると衣装自体かなり重厚で、特にローキーの光線下では深紅の髪色とロイヤルブルーのサテンのコントラストが素晴らしく映えました。撮影セットにはクリスタルのシャンデリア、彫刻が施された金色の椅子、灯された白いキャンドル、さらには赤ワインと繊細なケーキまで用意され、華やかさの中に危険な香りを漂わせる日常を見事に再現しています。脚のラインを見せるためあえて煽り(ローアングル)の構図を選び、ストラップ付きの黒いポインテッドトゥヒールとベルベット調の裾が、高冷でどこか挑発的な雰囲気を存分に引き出してくれました。含み笑いのような視線を固定するためキャンドルの火をじっと見つめていましたが、実は心の中で笑いを堪えるのに必死でした。メイクにもこだわり、長めに引いたアイラインと濃密なまつげ、暗めのリップで全体の色彩飽和度を下げたことで、かえって赤い髪が鮮明に際立っています。レタッチでは原画のダークな音調と質感を重視し、肌と金属アクセサリーのみ微調整。金色の背もたれに刻まれた獣首の彫刻やグラスの反射光もナチュラルに残すことで、髪の毛一筋まで完璧を求めるキャラクターの性格に合わせました。個人的には紫のベルベットソファに腰掛けた俯瞰カットが一番のお気に入りです。シャンデリアのフリンジが手前の天然フレームとなり、部屋全体のラグジュアリー感が一目瞭然となります。テーブルのグリーンブドウとパンも特注の小道具で、最終的には飾りになりましたが画面に生々しい生活感を与えてくれました。レトロ貴族の雰囲気を纏うゴシック風コスプレ作品を手掛ける際は、毎回道具や衣装の細部に膨大な時間を費やします。今回もネックレスのレイヤード位置を整えるだけで半時間近くかかりましたが、成果物を見れば苦労も吹き飛びます。『無期迷途』のカベルネが持つ、表面は上品でしなやかでありながら、本質には執着と魅惑を秘めた魅力を伝えられたなら本望ですし、キャラクターへの敬意となったなら幸いです。ダーク系ポートレート(Dark style portrait)としてお楽しみください。