6月の実景スタジオ撮影、今回の若葉睦のゴシック風コスプレの試みは、セットと衣装の親和性が非常に高いものでした。撮影前にカメラマンさんと「ダークでレトロな質感にしたい」と打ち合わせを重ねましたが、現場に用意された赤いベルベットのハイバックチェアと金の額縁が、まさに素晴らしい空気感のベースを作ってくれました。スタイリング全体として、黒のウエストニッパー付きドレスにプラチナブロンドのショートウィッグを合わせ、アイスブルーのカラコンによってレンズの前でどこか疏外感を漂わせました。若葉睦というキャラクターの根底にある性格設定を考えると、このようなクールな佇まいは非常にマッチしています。ダーク系ファッションのディテールについても少し触れると、襟元の黒い花のチョーカーや、胸元のブルーグリーンのリボンがアクセントになり、広範囲の黒がもたらしがちな重苦しさを和らげてくれています。袖にあしらわれたふんわりとした白チュールのインナーと黒のアウター層の重ね着が、エッジのレースと相まって、衣装全体の立体感をより際立たせています。下半身の黒いドット柄の網タイツとガーターベルト、さらにアッパーにグリーンの縁取りがあしらわれた黒のハイヒールを合わせることで、視覚的な重心のバランスがより整い、ゴシック風コスプレにおける定番の王道要素となっています。
現場のライティングは主に暖色系のクリスタルシャンデリアとストロボの組み合わせで、赤いベルベットの椅子を照らし出すことで、古典的な宮廷風の重厚感を醸し出しています。手持ちの小道具として葉付きの赤いバラを用意しましたが、ダークトーンの背景の中で色彩のレイヤーを綺麗にプラスしてくれます。撮影の際は、金の額縁を活かして前ボケ・後ろボケの構図を狙いました。空の額縁の後ろに立ったり、椅子に腰掛けて手前をぼかしたりすることで、画面により深いストーリー性を持たせることができます。この実景スタジオは全体的にトーンが暗めなので、ゴシックな題材にはまさにうってつけであり、暗闇の中の光と影のコントラストが被写体をいっそう引き立ててくれます。ウィッグも事前にカットとボリューム出しの処理を施したため、頭皮にペタッと張り付くことなく、大がかりな黒のレースのヘッドドレスと組み合わせることで、非常にドラマチックな緊迫感を表現できました。
表現力の面においては、若葉睦がもともと作中でひかえめで静かな性格であるため、今回の撮影では誇張された表情は一切作らず、大半の時間は穏やかにまっすぐカメラを見つめるか、あるいは斜め前方に視線を外すことで、あの少し距離感のある神秘的な気品を表現しようと試みました。カメラマンさんのスナップの速度が非常に早い、クリスタルシャンデリアの輝きと陰影が交錯するその刹那に、空気感の素晴らしい上半身のポートレートや全身カットを何枚も捉えてくれました。やはり、実景スタジオ撮影の最大の強みは光と影のリアルさにあります。後期のデジタル合成写真と比べると、瞳の中のキャッチライトがはるかにナチュラルに表現されます。撮影全体を通して、赤・黒・金という3つのメインカラーの組み合わせが非常に心地よく、バラの赤とウィッグのハイトーンが絶妙な寒暖のコントラストを生み出し、総じて『バンドリ!』の世界観における極めて特別なキャラクター表現の試みとなりました。