本日、念願だった『しっぽには猫がいる』のきなこによる室内ポートレートのレタッチがようやく完了しました。この撮影プランは以前から温めていたもので、ベッドルームで何をするでもなく気ままに過ごす、ちょっぴりお茶目で愛らしい「おうちでの日常」の空気感を形にしたいと考えていました。衣装には程よいオーバーサイズの白Tシャツを選び、ボトムスには同じく白のフリルショートパンツをコーディネート。おうちのコンセプトを大切にするため靴は一切履かず、素足のまま椅子やベッドに身を預けることで、作為のないナチュラルな脱力感を演出しました。スタイリング面では、明るいペールブロンドのウィッグの毛並みをサラサラに整え、装着した瞬間に二次元特有のイノセントな愛らしさが立ち上がるよう工夫。カラコンには透明感あふれるペールブルーグレーを採用し、瞳にピュアな輝きを宿しました。最も心を砕いたのは首元の赤い首輪、モフモフの獣耳、そして背後に揺れる大ぶりな黄褐色のしっぽのバランスです。首輪にあしらわれた小さな鈴は愛らしいアクセントとなり、首を傾げるたびに涼やかな音色を奏でてくれました。しっぽはピンを用いてショートパンツの裏側に目立たないよう固定し、ポージング中の型崩れに気を配りつつ、ボリューミーな毛並みの存在感を余すところなく捉えました。
撮影ロケーションには生活感と温もりに満ちたベッドルームブースを選定。シンプルな白いデスクやグレーのワークチェア、そして白地に黄色いドット柄のシーツが敷かれたベッドが並び、黄色のストライプ壁紙や赤・白・青の切り替えラグが画面に豊かな色彩を添えてくれています。特に気に入っているのは床にちょこんと座り込んだカットや、ベッドの上であぐらをかいたポーズです。右サイドから差し込む柔らかな自然光が腕や脚のラインを優しく照らし出し、みずみずしい素肌の透明感を美しく浮き彫りにしてくれました。チェアを使った一連のカットでは、限られた空間の中で豊かな身体表現を模索。両手を上に伸ばして伸びをしたり、片手で獣耳にそっと触れて物思いに耽ったりと、多彩なニュアンスを散りばめました。素足で椅子の縁に爪先を乗せる仕草は一見リラックスして見えますが、重心をブレさせずにキープするためふくらはぎの筋肉を張り巡らせており、撮影後は心地よい疲労感に包まれました。ベッドの上でのテイクでは、脚の美しいラインをすらりと見せるためローアングルからの構図を採用し、身体を丸めたり手足を伸ばしたりする所作を織り交ぜて、おうちならではの無防備な愛らしさを表現しました。
この作品で何より満足しているのは、現場を満たしていた温かな光の演出です。温もりのあるアンバーな室内光が、心地よいアンニュイな安心感をもたらしてくれました。カメラマン様が終始「髪の毛をふと整える仕草」や「指先をそっと丸めるポーズ」といった自然な日常の所作を優しく導いてくださったおかげで、硬いポージングに縛られることなく、この部屋で穏やかに過ごす獣耳娘そのものになりきることができました。現像の段階でも過度な肌補正を控え、肌本来の上質なキメと質感を大切にしながら、全体のトーンを柔らかく統一。二次元撮影の素晴らしさは、脳裏に思い描いたキャラクターの息遣いを鮮やかに具現化できる点にあります。衣装や造形の再現にとどまらず、あの午後に全身全霊で役へと没入した温かな幸福感を鮮明に閉じ込めた、心から大切にしたい写真集となりました。