中山ASアニメ展の会場内には冷房が効いていたものの、仮面ライダーエボル コスプレのメカスーツを一式着込むと、体感温度は一気に跳ね上がりました。今回のエボル・ブラックホールフォームは甲冑のレイヤーが非常に多く、特に胸元の巨大なリング状パーツは厚手のEVAと3Dプリントパーツを組み合わせ、マットホワイトとメタリック塗料を吹き付けることで、イベント会場のトップライトの下でも極めてソリッドで硬質なラインを際立たせました。ヘルメットの複眼部分にはシルバーメッシュによる透光処理を施しており、視界はかなり制限されるものの、マスク越しに外を見つめるその独特の距離感が、キャラクターの冷徹な佇まいと見事に重なりました。
このような重装備を纏うと、身体の重心が大きく変化します。肩アーマーと胸部プレートの迫力あるプロポーションを崩さないよう、インナー側にもしっかりとした骨組みの補強を仕込みました。赤・黒・金のアイコニックなカラーリングを施したベルトデバイスも今回の大きな見どころで、腰元に固定して動いてもブレにくく、より思い切ったポージングを取ることができました。会場には多くの特撮コスプレ仲間が集まり、フリースペースでは肩の重量負荷を軽減する構造や、ベルトギミックの連動性を高める工夫など、メカスーツ制作のノウハウについて熱い意見交換が行われました。
カメラマンのNightDivaさんは、撮影時に素晴らしい光影の演出で応えてくれました。1枚目の正面からの半身構図では胸部アーマーと頭部のディテールをしっかりと強調し、金属のシャープな質感を余すところなく描写。2枚目のあおり構図(ローアングル)は当日最も体力を要したポーズで、低いカメラ位置に合わせて重心を限界まで落とし、マントを翻して美しいドレープを作り出しました。ブーツの赤と金の差し色も、ダークトーンの背景の中で鮮烈な存在感を放ちました。3枚目はレンズのパースをダイナミックに効かせ、カメラに向かって手のひらを突き出す所作と背後からの逆光が相まって、変身の瞬間の圧倒的な緊張感を極限まで引き出しました。どのカットも、この仮面ライダーが纏う唯一無二の威圧感を忠実に再現しようと試みています。
特撮コスプレは一般的な衣装のコスプレとは異なり、硬質な装甲が各関節の可動域を大きく狭めるため、一見余裕そうに見える1カットの裏でも、必死に呼吸を整え立ち姿勢をミリ単位でコントロールしています。体力的な消耗は激しかったものの、このメカスーツを身に纏ってレンズの前に立ちすくむと、ブラックホールフォームならではの圧倒的なオーラが自然と全身から湧き上がってくるのを実感しました。根気強くリードし、甲冑のリアルな質感を完璧に仕上げてくださったカメラマンのNightDivaさんに心から感謝しています。型紙起こしから塗装に至るまで試行錯誤を重ねて長い時間をかけて完成させたこのエボルを、中山ASアニメ展で余すところなくお披露目でき、会場で多くの玄人たちと語り合えたことは、今回のイベントの最高の締めくくりとなりました。